日本を代表するスマホブランドといえば、中国でも「索尼大法好(ソニーの教えは素晴らしい)」を合言葉にした、根強いファンと言うより「信者」を擁する僕らのXperia。
最新フラッグシップモデル「Xperia 1II(エクスペリアワンマークツー)」は中国でも10月中旬に発売されました。Xperia 1IIは中国のソニー信者を満足させることができたのか、大手ECサイト「京東」のレビューから、反響をご紹介します。
「スタイル抜群の美女と結婚したようなもの」
まずは、デザインについて、ファボ数最多のレビューから。「ソニーらしい工業デザイン」とべた褒めです。
「ソニーの工業デザインテイスト十分、堂々とした外観で、(中国)国産機のようなロゴがなければどのブランドかわからないモノではない、無光沢コーティングの背面カバーが美しい。外観デザインが最高、細工の質感が超いい、手触りは超きもちいい、黒の同梱カバーをつけてると、人と違う個性を求めている人が使うのにピッタリ」
このユーザーは14日後、追加コメントを発表していますが、「使えば使うほど好きになった」と言います。
「使えば使うほど好きになった。ソフトウェアは、実のところ国産の華為小米OPPOほど親切ではないが、一つのものを好きになれば、その小さな欠点は包容しなければならない。一番好きなのは、外観デザインだ。とても美しい。幅狭ディスプレイを使ってから他のスマホを見るとまるでデブのようで耐えられない。スタイル・ルックス抜群の美女を嫁にとってきたようなもので、他の小さな欠点も受け止められる、なぜなら見た目がキレイだからだ、その他の小さな欠点は、どれも理解できる!!」
もはやレビューと言うよりオタク特有の早口推しプレゼンですが、多分Xperiaユーザーとして「正しい」姿勢でしょう。細かいことはいいじゃないか、だって美しいんだもの。
デザインと言えば、中華圏市場には限定カラー「Green」が投入されましたが、「青山緑は淡墨緑の翡翠のようで、実機を見ると本当に写真よりも美しい、奥ゆかしく高貴」との声も。
カメラ機能やオーディオ機能も賛美絶賛の嵐。
「カメラのオマケでスマホがついてきているようなもの。一日中遊べる」
「音楽再生?どっしりしている、わかる人には自然とわかる」
「3.5mmイヤホンジャックの復活は音厨狂喜」
「索尼大法好!信仰が充電された!」
3200件のコメント中、好評率は実に92%、みなさん大満足の様子です。
発売早々「値崩れ」に購入者から不満の声
しかし、読者の皆様もおそらくお気づきでしょう。「コメント見ると信者ばかりでは?」「もしかして、訓練されたソニー信者しか買ってない?」という疑問が浮上します。
ちなみに同価格帯の華為P40 Proのコメント件数は4万4千件。
私は「思ったよりXperia 1IIとの差が大きくないな」と感じましたが、いずれにしても、Xperia 1IIの販売状況は芳しくないようで、発売から一カ月余で500人民元(日本円で約7800円)の値下げに踏み切っており、人はこれを「値崩れ」と呼びますが、京東で低評価をつけたユーザーは、7割方「買ってすぐに値下げ」したことにお怒りでした。
ソニー公式の対応もよくない?
「発売から2週間で公式ショップが狂ったように値下げした、こんなメーカー見たことあるか?」
値下げへのクレームコメントへのソニー公式旗艦店からの回答はいずれもテンプレで、自動返信だと思いますが、少し笑いがこみ上げてくるものがあります。
「価格或いはイベント内容については、弊社製品ページを登録ください、製品ページの情報優先となります」
「膨大なコメント処理するのも大変だし、中国市場はこんなもんなのか?」と思い華為の価格変動への怒りコメントへの返信も見てみました。
「電子製品の価格は市場価格の波にしたがい毎日ある程度の値上げ、値下げイベント等の変化があり、業界情勢は変わりやすいため、当方としても具体的なイベント時期や振れ幅を把握できないことをご容赦下さい」
これもテンプレだと思いますが、「せやな」としか言いようがないですね。おそらくこのソニーと華為の差は「そりゃ国内メーカーの方が顧客対応に力入れているだろ」というのが根本的な差かとは思いますが、前出ソニーの対応見ると、「こんな顧客対応ぶりなのに国内メーカーを買わずにソニー信者続けてる中国の信者って、ガチで訓練された信者なのでは……」と、神々しさすら感じてしまいます。
総評
ともあれ、日本では「ランチパック」、中国では「ダンベル」と酷評された暗黒時代も今は昔、「美人に小さな欠点をグダグダいうもんじゃない」と愛でることができる「僕らのXperia」が帰ってきたと、中国の信者も笑顔で信仰を充電できているようです。
「Xperiaを使ったら、他のスマホはデブに見える」は、言ってみたいですね。
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