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中国政府、「ゲームは1日1時間」にガチ規制で株価大暴落!背景には「親の民意」?

 香川県も真っ青!

 8月30日、中国国家新聞出版署は全てのゲーム会社を対象として、未成年者へのオンラインゲーム提供時間を、金曜日、土曜日、日曜日と法定休日の20~21時に限り、その他の時間は一律、未成年者へのオンラインゲームサービスの提供を禁じる「通知」を出しました。

 つまりゲームは1日最大1時間、しかも1週間で合計最大3時間までに規制されるってことですね。香川県よりも短時間です。

 ゲームを含めた「出版物」は発行に国家新聞出版署の検閲・許可が必要なので、国家新聞出版署からの「通知」、つまり「命令」は絶対です。日本で言えば、銀行にとっての金融庁くらい怖い役所ですね。

ゲーム規制の背景には「親たち」の民意?

(画像出典:CCTV

 今回の「通知」について、中国国営通信社・新華社がその背景、内容などについて国家新聞出版署にインタビューしていますので、簡単にご紹介します。

 まず、今回の通知の背景については、ネトゲ産業の急速な発展とともに、未成年者がネトゲに耽溺する問題(わかりやすいように、以下「ネトゲ廃人化」とします)が社会的な関心を集め、多くの保護者から強い反応が寄せられてきており、国家新聞出版署は未成年者のネトゲ廃人化防止施策を強く重視してきたそうです。

 また、未成年者のネトゲ廃人化は社会問題とまでなっており、多くの保護者が筆舌に尽くしがたい苦しみを受け、民心を痛めており、実効性のある措置が求められているところだといいます。

 青少年は祖国の未来であり、未成年者の心身の健康は人民の身近な利益や、民族復興の云々と続き、結論として、国家新聞出版署は新学期(9月)開始に合わせて今回の通知を出し、ネトゲ廃人化防止を推進し、未成年者の健康を守ることにした、とのこと。

 「誰が規制したがっているのか」が気になったところですが、国家新聞出版署のこの回答では「保護者(原文:家長)」が何度も登場しており、子供を持つ親からの規制を求める声が強いことがうかがえます。

 中国といえば、科挙以来千年以上の歴史を誇る「受験戦争」社会。高校生に「部活」なんというものはなく受験勉強に集中、共通試験に相当する「高考」では親たちが受験生の子を親たちが送り迎えするのはもちろん、試験中も会場の学校前に立って子の健闘を祈り続けるのめり込みぶり。

 このような親たちが、中高生の子供がネトゲにのめり込むことを許しそうもないのもわかりますが、そういった親の目を盗んで如何にゲームに集中するかに頭を使うのも、中高生の本分。親たちが「政府が何とかしろ」と怒り、中国政府は案外世論に弱いところがあるので、今回の通知になったのかと思われます。

政府の「ネトゲ廃人防止システム」への加入を義務付け

 通知の具体的な内容については、「習近平新時代中国特色社会主義を以て指導と為し……」と1980年代以前の中国のような社会主義国家らしい定型文で始まり、以下を積極的に促すことが定められました。

  1. 未成年者へのオンラインゲーム提供時間を、金曜日、土曜日、日曜日と法定休日の20~21時に限り、その他の時間は一律、未成年者へのオンラインゲームサービスの提供を禁じる旨
  2. すべてのオンラインゲームに国家新聞出版署の「インターネット廃人防止 実名認証システム」運用開始後の加入と、実名認証によるアカウント登録とログインの義務付け
  3. ゲーム会社の実施状況への監督・検査
  4. 家庭・学校等社会各方面による行動

 もはや香川県の条例が「学級会での決議」レベルに見える、「これがフルスペックの国家権力だ」って感じの内容ですね。

 ちなみに中国では国家新聞出版署の許可がないとゲームを発売できないので、通知に違反すると即死です。

ゲーム関連会社株が暴落

 深圳商報によると、国家新聞出版署による通知発表後、ゲーム関連会社の株価に影響。ネットイースは最大9%、ビリビリは最大7%下落の大暴落。

 なお、ゲーム会社への実際の影響ですが、テンセントの人気ゲーム「王者栄耀」の例ですと、今年第2四半期のアクセス数に占める16歳以下の比率は僅か2.6%にとどまり、未成年者は消費能力から見るとネトゲの「消費主力軍」というわけではないそうです。

 ただし、業界の情勢から見れば、この1年でゲーム業界の株価は大きく下落しており、A株のゲーム業界株は平均で35%、「掌趣科技」「完美世界」といった銘柄は60%以上下がっており、業界株全体で時価総額2958.4億元(5兆円以上)が「蒸発」しているといいます。

 ゲーム会社からすると、実際の売上には大きく影響しないのに、政府による「ゲーム業界への締付け」という印象が投資マインドに大きく影響しているのは、たまったものではありませんね。

 「三易生活」も、ゲーム内課金の無料ゲームが主流の現状、未成年者ユーザーによるゲームメーカー営業収入への貢献は大きくない一方で、未成年者のゲームプレーは世論の圧力を受けており、「廃人化」防止策を絶えず求められている状況にあると指摘しています。

「オフラインゲーム」の時代が来る?

 オンラインゲームに厳しい規制がかかるなら、インターネットに接続せずに遊べる「オフラインゲーム」の時代が来るのでしょうか。かつてはゲームソフトといえばダウンロードなどではなくカートリッジやCD-ROMのパッケージが一般的でした。

 前出三易生活は、これに懐疑的です。

 なぜならネトゲは無料が主であり、「オフゲ」は基本的に有料であり、高性能なゲーム向けPCを別途購入する必要があり、こういった支出は経済力のある成人でもよく考えてする必要があり、海賊版を探そうにも規制が厳しくなった今、入手するのは困難(これ、意外かもしれませんが、中国もここ数年でめちゃくちゃ厳しくなりました)なのだと指摘します。

 また、ネトゲは「社交性」が備わっているのに対して、今のように「オフゲ」が無数にある時代では、友達と同じゲームをプレイする、という状況も発生しづらいのではないかといいます。

総評

 今回の中国政府によるゲーム規制ですが、「親たち」による世論の圧力で、中高生のゲームプレイ時間が金土日に1日1時間(週3時間)という、「それで楽しめるのか?」と疑問なほど削られてしまうことに。

 ゲーム会社の売上への直接の影響は少ないものの株価は暴落。「オフゲ」が流行るかといえば、それも中高生の経済力を考えれば非現実的、という状況の様子。

 そういえば、今の中高生はスマホのオンラインゲーム以外に、どんなゲームをしているんでしょうかね。

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