Appleは、オランダの出会い系アプリ開発者に対して、AppStoreを介さないサードパーティーの独自決済を容認すると発表しました。
これはオランダの消費者市場局が命じた、支払いポリシーの変更によるもの。Appleは、オランダ国内においても独占禁止法などの観点から捜査を受けており、1月15日までにAppStoreで外部決済が使用できるように変更するか、罰金を支払うよう命令を受けていました。なお、捜査は出会い系アプリに絞って行われたため、Appleが外部決済を容認したのは、オランダ国内の出会い系アプリの開発者に限られます。
しかし、消費者市場局はこの発表に対して、「Appleの対応が適切かどうか評価する」と言及。実際、Appleから独自決済容認が発表はされたものの、具体的な内容は示されておらず、内容が不透明になっていました。
Appleは、各国で進むアプリ内決済の「縛り」に関する調査と規制に関して、毎度のように「安全性を担保できない」として反発しています。
ただ、広く外部決済が容認されれば、決済大手他社がAppleの決済システムより手数料の安価な決済サービスを提供する可能性も。ある程度知名度や実績のある会社であれば、決済システムや返金などの対応はしっかりしているはずです。
これまでに、多くの反発を受けて、Appleの決済システムを使用した課金に対して課していた30%の手数料を小規模事業者などに対しては15%に引き下げ。しかし、AppStoreの売上額は2021年第3四半期に340億ドル(約3兆9000億円)を超えており、Appleが手数料中抜きで得ている利益は相当な額であると考えられます。そのことを踏まえると、外部決済の容認による損失はAppleにとって非常に痛手です。
AppStoreやGoogle Playストアをめぐり、多くの国で捜査が行われている現状を考えると、このような規制の動きはさらに拡大していくと見られ、この命令を受けた各国の動きにも注目です。