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大不評「BALMUDA Phone」を禁断の「分解」。調査で判明した「驚愕の中身」とは……

 もう分解する以外にない。

 「BALMUDA Phone(バルミューダフォン)」、それは京セラが製造するバルミューダのスマホです。

 鳴り物入りで登場するもスペックに全く見合わない「10万円、14万円」の衝撃価格、ジャーナリスト評からSNS反響まで不評の嵐、さらに販売現場の複数の情報源からも本機とその販売に関する不満の声が聞こえるほか、極めつけは技適問題で販売停止に。すさまじい惨状となっています。

 かくいう筆者も発売日に定価で買いましたが、はっきり言って使いにくいです。電源ボタンは押しにくくて指紋認証もしにくく、フロントカメラも邪魔ですし、電池も全然足りない2500mAh。

 バルミューダの製品ですが製造はあくまでも京セラ。技適申請も京セラ。となると京セラに大きな原因がありえると考えるのは妥当なところ。

 また、開発費高騰はパネルやアプリ開発費という説明も疑問でした。それだけでここまで高くはならないだろうと推定。京セラ側に大いに問題があるのではと感じていたからです。

 非常に気になるので、いっそのこと、BALMUDA Phoneをバラバラに分解して確かめたい。そう思って、解体調査してみました。こちらの動画をご覧ください。かなり苦労して作った動画なので見ていただきたい。非常に興味深い内容になっていると思います。

 解体過程から感じられるのが「意外としっかり作っている」ということ。頑丈に作られています。

 昨今のiPhoneやXperiaなどは1枚、2枚の基板が主流である中、BALMUDA Phoneはメイン基板だけではなく離れ小島の基板を多数設けるなどいくつかの部品を離して配置。非常にコストのかかる作りをしていることが伺えます。これは丸型に合わせるための犠牲でしょう。メイン基板だけを見ればスカスカ。ノイズ等も考慮したのでしょうか?

一瞬「手抜きか」と思うところだが、よく見るとコストがかかっていると見られる

 また、随所に堅牢性を確保する意図が感じられるため京セラなりに精一杯設計したのではないかと推定できます。

 ただし、良く言えば、防水防塵MIL規格耐衝撃を特徴とする製品を得意とする京セラらしさ、悪く言えば、京セラが作ると全部こうなるのだろうか、とも感じられるところ。

 剛性確保が過剰な感がありますが、おしゃれなバルミューダの家電ですから耐衝撃やMIL規格などは必要ありません。現にBALMUDA Phoneは耐水対応を謳うのみ。剛性よりも電池容量確保などに回していたら、もう少しまともな評価になっていた可能性はあるので残念なところ。

 価格が高い表向きの理由を総合しても、腑に落ちないクォリティーと価格でしたが、確かにこの設計ならば開発費が高騰し、バルミューダが想定していた価格を当初予定から大幅に釣り上げなければならなくなったのも理解できます。おそらくバルミューダとしては「ただ小さくて丸いスマホを作ってもらいたいだけなのに、こうも開発費が高騰するとは」と思っているでしょう。

 4.9型の小ささで、この急激なラウンドという主題。バルミューダ寺尾社長のやりたい丸型形状のために強いられている犠牲が大きいように見えます。iPhone 3G / 3GS程度のマイルドなラウンド形状だったら、部品配置も見直せて、ここまで高コストな設計にはならなかったのではないでしょうか。

 バルミューダのやりたいのが「小さな筐体に全てを詰め込み、料理も美味しく撮れるカメラまで素晴らしいおしゃれな高級スマホ」であるのに対し、京セラが最も得意とするのは「過酷な現場だろうが海水の中で使おうが壊れずに動作する強靭強固なスマホ」です。全く異なる方向性です。

 案の定、異なる方向性の両社の製品は上手く行かず「スマホが人生の中心になってしまっている」などと後付のデジタル・デトックス設定で電池容量の少なさを言い訳してみたり、「最近のスマホは大きすぎてポケットに入らない、画一的で選択肢がない」などと挑発したりするしか無かったのだと考えると、悲しいところです。(事実ならいいが、大きすぎてポケットに入らないスマホというのは特殊な例だし、変態スマホ・小型スマホ・カメラスマホ・フォルダブルスマホと昨今選択肢が豊作なので、嘘の説明をしているようにしか感じられない)

 もし、バルミューダが他のメーカーに依頼していたら?もし、バルミューダが京セラに頼むのに相応しい、たとえばガラホ(電池容量やカメラ性能などが要求されない)を企画していたら?……想像は尽きません。

 反省をいかした次回作に期待します。

(編集協力: zeriyoshi)

情報元YouTube
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