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救い無し?Surface Duo 2は「コンセプトから欠陥」、海外著名レビュワー指摘

 Microsoftが初代折り畳みAndroidスマートフォン「Surface Duo」の後続機としてリリースした「Surface Duo 2」。展開時8.3型90Hz対応のより大きなディスプレイに三眼カメラセット、SoCに「Snapdragon 888」とスペック上は各所アップグレードした本機ですが、 一部のユーザーにとっては必ずしも初代よりベターとは言えないようです。

 世界的に最も有名なレビュワーの一人であるMarques Brownlee氏もその一人で、自身のYouTubeチャンネルで初代とも比較しながら辛口レビュー、さらにこのSurface Duoシリーズのコンセプトについて批評しています。

 結論から述べるとSurface Duo 2は初代よりスペック面では改善はされているものの、それ故に新しい問題点も浮上しておりそもそもSurface Duoシリーズのコンセプト自体に欠陥があるのではないかと考察しています。Brownlee氏が挙げる主な問題点は3点。

 まず欠陥の一つ目はヒンジ部のカーブしたディスプレイデザイン。大型ディスプレイのため、開いた状態でタブレットの様に使用する機会が多いのにもかかわらず中心のカーブ部分に文字や画像が落ち込んで大変視認性が悪くなっています。画面中央のテキストが完璧に読めなくなってしまうほどです。(あくまで2画面利用がメインの機種ということなのでしょうけれども)

文章の一部が完全に隠れてしまっている

 二つ目の欠陥はカメラモジュール。初代Duoはミニマムなカメラ機能しか無かったのに対しDuo 2は三眼仕様。1200万画素メイン、1600万画素超広角に1200万画素2倍望遠と本格的なカメラセットが搭載されていますが、そのためカメラモジュール部が飛び出したデザインになっています。

 理論上は上位互換のはずですが、この突出したモジュールデザインのせいで実際の使用感はむしろ扱いづらくなっています。まず外側に折りたたむと背面がフラットにくっつきません。モジュール部が背面にピッタリ沿うように角度は計算されてデザインされているものの、片側だけ分厚い状態で手に持っているのは違和感があります。

 半開きの状態でデスクに置くときはモジュールが付いた側は傾いてしまうため接地面にするのに適していません。そのため初代は左右対称デバイスの様に扱えましたがDuo2はどちら側がカメラ側なのか常に意識させられることになります。

Surface Duo 2で撮影した一枚。本格的なカメラが搭載されているだけあって画質は悪くない。

 Brownlee氏は初代Duoを「パフォーマンスは低く、ソフトウェアはバグだらけでカメラはゴミ」と酷評していますが良かった点として薄型でピッタリ開閉できるスラッとしたデザインを挙げています。Duo 2ではモジュール部のせいでその長所が失われてしまっています。

 3点目としてこれはSurface Duoシリーズ両機に共通することですが、外側スクリーンが無いため使用するたびに開く必要があることです。Brownlee氏はこれが根本的問題だと考えており、「Surface Duoシリーズのデザインコンセプトである故、これらの欠陥に対する根本的対処もできないだろう」と述べています。「Samsung Galaxy Z Fold 3」といった他社の折り畳みスマートフォンは多くが外側ディスプレイを備えており、普段はスマホとして開くこと無く使用し、必要なときだけ展開して折り畳みのメリットを享受することができます。

 Surface Duoシリーズにはこれが無いため、ちょっと写真を撮ったり通知を確認したりするときでさえデバイスを展開し、ロック解除しなければ何もすることができません。一応側面にはカーブディスプレイから時刻や通知が確認できますが、機能的にはミニマムでディスプレイの代わりにはなり得ません。ちょっとした事の様ですが何度も繰り返すととてもストレスになります。また展開時にデバイスを置く際は片方のディスプレイを直接机の面などに触れさせることになります。これではすぐに傷がついてしまいそう……。

カーブしたディスプレイにより側面から時刻を確認できる仕様

 ソフトウェア面でも、初代と同じくバグが多いままで、スワイプやボタンタッチが正しく認識されないことがあったと指摘しています。

 そんなSurface Duo 2の価格は1499ドル、日本円換算で17万円強。初代の1399ドル(約16万円)より高価で、Surface Duoが最終的に900ドル(10万円強)程度まで相場が値下がりしたことを考えるとかなり強気な価格設定です。これだけ高価なデバイスでこの使用感はちょっと満足とは言えないかもしれません。

 Brownlee氏はAppleが最新モデルの「MacBook Pro」で「バタフライキーボード」や「Touch Bar」といった不評だった機能を引き継がず、あえて古い仕様を戻すことで高評価を得たことを例示し「Microsoftも同じような戦略を導入するか、外側ディスプレイ無しというデザイン自体を再考する必要があるのでしょうか?それとも現状のデザインでも満足なユーザーにターゲットを絞り、そのままの方針で行くべきでしょうか?」と最終的な所感を述べています。

 Microsoft特有のプレミアムな値段とコンセプトに対し、折り畳みスマホの使用感に対する研究とノウハウが追い付いていない印象を受けました。将来的にスマホ専門の他社にも匹敵する一台を生み出すことはできるのでしょうか。

情報元YouTube
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