Googleは、ロシアの侵略を受けるウクライナへの支援の一環として、空襲警報システム「Air Raid Alerts」をAndroid端末に展開したと発表しました。
ウクライナ政府はすでに空襲を伝えるアプリをリリースしていましたが、新たに展開したAir Raid Alertsは、2020年にGoogleが構築した緊急地震速報システム「Android Earthquake Alerts System」の低遅延な警報の仕組みを活用。
これはウクライナ政府が配信する空襲の情報をおおよその位置情報を用いて各端末に送信するというものですが、今回のシステムはAndroidに組み込まれています。
Android Earthquake Alerts Systemは多数のAndroid端末の加速度センサーを利用して地震の揺れを検出、早期に周辺地域のスマホに緊急地震速報を出すシステム。地震の多い日本ではすでに高精度な地震観測システムが構築されているためサービスは行われていませんが、そういったシステムが存在せずかつ地震のリスクが高い国・地域に優先的に展開されています。
このほかにもGoogleはウクライナに対する支援として、ウクライナの難民に無料または割引でサービスを行う宿泊施設はGoogleマップのプロフィールに専用のタグを設定できるようにしたほか、近辺の慈善団体に1000万ドル以上を寄付。
また、米国内で同社が展開しているMVNOサービスの「Google Fi」ではウクライナから、および米国からウクライナへの国際通話料金を免除、通話アプリの「Google Voice」ではウクライナへの通話料金が当面の間無償化されます。
さらに増加するサイバー攻撃の対策への支援として、大量のアクセスでサーバーを機能停止に陥らせるDDoS攻撃からウェブサイトを守る「Project Shield」の利用資格を拡大。メディアを含む、ウクライナの150を超えるウェブサイトがすでに利用しているとのこと。