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8年間使ったXperia Z Ultraのバッテリー交換に失敗した話

 さらば、我が愛しのズルトラよ。

 私が初めて手にしたAndroid端末はソニーのXperia Z Ultraでした。2014年当時、iPhone 5Sを使っていた高校時代の私はAndroidの大画面に憧れており、Xperia Z2が出ているタイミングにも関わらずひと世代前のXperia Z Ultraを嬉々として買った記憶があります。

 購入当初はXperia Z Ultra(以下私のXperia Z Ultraをズルトラくんと呼びます)を、お風呂用端末として使っていました。当時のiPhoneは防水機能がなかったからです。また、鉛筆をスタイラスにする機能で大画面を生かしたお絵かきしたりなど、たくさん使ってあげていたのですが、Antutuスコア4万点台のSnapdragon 800では完全に限界がきており、近頃はワンセグテレビとしてたまに使うぐらいで使用頻度が下がっていました。

 さて、満充電のバッテリーは化学的に不安定な状態で劣化しやすい状態にあります。そのため、スマホを長期間使わないときはバッテリーを50%ぐらいにして電源を切るのが鉄則なのですが、先月頃でしょうか、誤ってズルトラくんを満充電のまましばらく放置してしまいました。

 そして先日、久々にテレビでも見るかと思ってズルトラくんを取り出したところ……膨らんでる!!!

膨らんでる……

 気のせいかと思って何度も押し込んだのですがバックパネルは閉まりません。バッテリーを不安定な満充電の状態で長期間放置した上に、夏の猛暑で部屋が暑い状態にあったのダブルパンチでリチウムイオンバッテリーにガスが発生し、膨張してしまったようです。

ズルトラ妊娠、バッテリー交換を試みる

 ズルトラくんは私がはじめて買ったAndroid端末で、そのサイズ感や板っぽいデザインが大好きで動作がカクついてもAndroid 4.4以降のアップデートがなくなってもauの非VoLTESIMがなくなってWiFi専用端末になっても売らずに使っていた愛機です。バッテリーが膨張したから捨てますというのはあまりに忍びない。

 というわけでまずはバッテリーの交換を試すことにしました。スマホの分解といえば皆さんご存知のiFixitが有名です。もちろんXperia Z Ultraの分解手順も公開されていたのでそれを参考に分解していきます。

※登録修理業者以外で分解したスマホは技適が外れるため電波が利用できなくなります

 バッテリーはAmazonで販売していたこちらの商品を利用しました。未だに8年前のスマホのバッテリーが売っているというので驚きです。

 まずは吸盤とプラスチックピックでバックパネルを外します。必要であれば粘着剤が剥がれやすいように温めながら作業をしてもいいと思いますが、渡しの場合はもともとバックパネルがバッテリー膨張で外れかけていたので簡単でした。

作業はバッテリーを放電した状態で行っています

 問題のバッテリーがこちら。ぱっと見たところそこまで膨張していませんが、Xperia Z Ultraの場合は僅かな膨張でもバックパネルが閉まらなくなります。Xperia Z Ultraの薄さは6.5mmと2014年当時では考えられないほど薄かったのも原因の一つでしょう。

 ネジ6箇所を外してマザーボードカバーを外します。

 これがXperia Z Ultraの心臓部です。左にはmicroSDとmicroSIMカードスロットがあります。真ん中はSnapdragon 800のヒートシンクでしょうか。

 また、カメラ(上部左側)の小ささが目立ちます。Xperia Z Ultraのカメラは2014年当時でも写りの評判は悪かったことが思い出されますね(笑)

 アンテナとバッテリーコネクターを外してバッテリーを取り外します。粘着力がかなり強いのでテコの原理を使って力いっぱいに引き剥がすことでやっと取ることができました。

 これがXperia Z Ultraのバッテリーです。2014年段階でこの薄さの3000mAhのバッテリーが作れるのには驚きです。

コネクターが刺さらないトラブル発生

 あとは外したバッテリーを互換バッテリーに換えて、逆の順番で組み立てて完了なのですがここでトラブルが発生します。

 なぜかコネクターが傾いた状態でしか刺さりません。平ケーブルも傾いた状態になり、これではマザーボードカバーが閉まらないし何より断線リスクが付きまといます。

バッテリーを規定位置に置くと平ケーブルが曲がる

 コネクター部を見てみるとなんと割れているではありませんか!道理でしっかり刺さらないわけです。平ケーブルもわずかに短く、ネジ山に合わせるとケーブルが曲がってしまう問題もあり、到底まともに使える互換品ではありませんでした。

左がAmazonで買った互換バッテリー、右が純正品

 

8年前の機種の部品を探す難しさ

 古いスマートフォンは補修用部品の保有期間が経過すると修理対応が終了します。au公式サイトによりますと、修理できる最も古いXperiaはXperia XZ2 (SOV37)で2022年9月30日までだそうです。Xperia Z Ultraに至っては修理対応終了のお知らせすらなくなっていました。

 となるとインターネットで互換パーツを探すしか手段はなくなるわけですが、互換パーツは今回のように不良品を引いてしまってうまく修理できないリスクがあります。

 また、Amazonレビューを見る限り、中古純正品のバッテリーを剥がして販売しているのもあるようで自分のバッテリーよりも更に古い製造年の物が届いたケースもあるようです。バッテリーは経年劣化するものですからできれば長期間保存されていたものや何度も充電サイクルを繰り返したものは使いたくありません。

 公式修理はない、ネットに出回っている互換品は正体不明で怖いとなるともう残された道はありません。

私が購入したバッテリーは2020年製らしい。製造元はソニーモバイルコミュニ「ク」ーションズ

古い端末は大事にしよう

 結局私のズルトラくんは純正バッテリーに戻してauショップで回収してもらうことにしました。大好きな端末でまだまだ使いたかっただけに非常に悔しいです。ごめんよ、僕の不注意のせいで……。

 銘板によると私のズルトラくんは2014年2月製造だったようです。8年半で寿命を迎えることになりましたが、一般的にスマホの買い替えサイクルは2~3年ですので十分長生きだったと思います。

 2022年にもなってようやく「ズルトラ難民」になってしまった私ですが、2度と後継機種が出ることはないだろうし、いまのところ代替機を探そうとは思っておりません。

auショップにて最後のお別れ

 この記事で皆さんに伝えたいのはただ一つ、好きな端末をずっと使いたいなら大事にしよう、それだけです。ガジェットは8年も経つとまともな部品はほとんど残っておらず、一度壊れたら修理はかなり困難になります。

 古い端末は一度の不注意でダメになります。気に入ってるモノは注意して大事にしましょう。

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