BMWは、ラスベガスで開催されている家電見本市「CES 2023」において、自動車の未来を示すビジョンカーの「BMW i Vision Dee」を発表しました。このデザインやスペックのまま販売されることはまずないであろうコンセプトモデルです。
BMW i Vision Deeは、あまりにも突飛で過激なコンセプトカー。正面から見るとライトは確認できず、また巨大化の一途を辿っておりこのままでは車の大きさを超えると揶揄されていたキドニーグリルはその本来の形をなくし、もはやミームで見るサングラスのような平面になり果ててしまいました。
すべてのガラスはディスプレイとして投影可能。サイドウィンドウに自身のバーチャルアバターを投影することもできるとしています。メタバースで美少女の俺らに朗報となるのかもしれません。
特徴的なのが、コックピットおよびインテリアが極限までシンプルにされている点。コンセプトカーで実用性度外視と言われればそれまでですが、ダッシュボードにメーターやディスプレイの類は「Mixed Reality Slider」を除いて他になく、必要な情報はすべてフロントガラス下部に映されるようになっています。
このMixed Reality Sliderはフロントガラスに表示する情報量を制御するもので、最大レベルではエンタメを楽しめるようになるとのこと。
また、BMWは去年のCESで、E-inkを用いてリアルタイムに色が変わるコンセプトカーを発表しましたが、今年はそれをさらに進化。
どうやら今年のモデルは、ボディが240個の領域に分割されており、それらを個別に32色に変更できるとのこと。ラスベガスの会場では、実際に動作しているところも展示しているところも確認できたようです。
星新一のショートショートに「カラフルであることを是とし、そうでないものに嫌悪感を抱く」価値観を持つ世界の話があったことを思い出しました。この車を見ていると、いずれそうなる未来も来るのかもしれない、と思ってしまいます。