拙速なNTT法廃止を急ぐ政府。KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルの携帯三社がこれに反論を強めていますが、楽天の代表取締役会長兼社長である三木谷浩史氏がX(Twitter)で吠えました。NTT法見直しの座長の自民党甘利明前幹事長を批判しています。
報道どおりだとすると、自民党の「甘利氏」をリーダーとするプロジェクト。『NTT法を廃止』して、国民の血税で作った唯一無二の光ファイバー網を完全自由な民間企業に任せるなど正気の沙汰とは思えない。携帯含め、高騰していた通信費がせっかく下がったのに逆方向に行く最悪の愚策だと思います。国民…
— 三木谷浩史 Hiroshi (Mickey) Mikitani (@hmikitani) November 14, 2023
楽天三木谷氏だけに政府との溝を作るのはフェアではないと、ソフトバンク代表取締役社長執行役員の宮川潤一氏がこれに呼応。国民の税金で作り上げた資産を引き継いだNTTの民営化に釘を刺しました。9年ぶりのツイートならぬポストです。
三木谷社長だけに、政府との溝を作らせるのはアンフェアなので、私も久しぶりに投稿します。NTTが引き継いだ資産は国税で創り上げたものです、土地だけでも莫大な資産。まして地中に埋まる光ファイバーは、唯一無二であり国税を投下して、30年もかけて創りました。
— 宮川 潤一 (@miyakawa11) November 14, 2023
本来国が管理運営すべき重要インフラを、運営して頂く委託団体が特殊法人です。ですから特殊法人法があります。有事の際、東電のような惨事でも支えるのは当たり前で、国の重要インフラだからてす。一民間企業の持ち物にしては決していけません。
— 宮川 潤一 (@miyakawa11) November 14, 2023
20年、50年先の未来に、どんな有事が起こるかわかりません。
民間に引渡しするアセットとしては適正では無いことは明白です。
国が責任放棄するのはダメです。
未来の日本にとって取るべき選択では無いと、届かないのは残念ですが声をあげます。
宮川潤一— 宮川 潤一 (@miyakawa11) November 14, 2023
この流れをKDDI広報がリポスト(RT)。
さらにKDDI髙橋誠社長も4年ぶりに投稿。楽天三木谷社長と宮川社長に賛同しつつ、防衛財源の話がすり替わっていることを指摘しました。
今回の議論
そもそも防衛財源の話がいつの間にか話がすり替わりNTT法廃止の話だけが一人歩きしている事に先ず違和感を覚える。— 高橋 誠 (@makjob) November 14, 2023
三木谷さん宮川さんもおっしゃっている通り多額の血税で構築した光ファイバー等特別な資産を持つ特別法人たるNTTの義務を規定したNTT法を単純に廃止する事は、公正競争の観点、有事への対応の観点からもあってはならない。
— 高橋 誠 (@makjob) November 14, 2023
自民党は防衛増税の文脈からNTT規制見直しとNTT株の売却検討に着手しました。しかし、いつのまにか防衛財源化先送りの話も出て、主眼は「通信産業成長」に軸足を移しつつあります。
甘利明氏はNTT法の在り方に関するプロジェクトチームの座長を務めています。
甘利明氏は2001年から衆議院議員、御歳74歳。金銭授受問題を受け、2016年に経済再生担当大臣を辞任。2018年には憲法第21条や電気通信事業法に抵触するおそれのあるサイトブロッキングを推進。2021年には小選挙区で落選、比例で復活扱いとなった議員です。