OnePlusは中国にて、次期フラグシップスマートフォン「OnePlus 12」のカメラ詳細を公開しました。
ハッセルブラッドと共同開発のカメラシステム、SONYのイメージセンサーブランド、LYT-808の搭載や、3倍ペリスコープ望遠カメラの搭載などを予告しています。
HyperToneエンジンの実装
本発表の前日にOPPOとハッセルブラッドが「HyperTone」と呼ばれる次世代カメラシステムを発表しています。
OPPOに組織統合され、以前からハッセルブラッドとコラボしていますが、今回OnePlus 12にもHyperToneカメラシステムを導入するようです。
詳細は過去記事と同様となっており、オールカメラシステム、画像エンジン、ProXDRディスプレイによって撮影体験を高めています。ポートレート撮影の精度も高まっているとのこと。
また、スマホカメラのレンズやイメージセンサーにはハードウェア上の限界があるため、カメラ性能を向上するためには光学的な性能を高めるだけでなく、画像処理の計算アルゴリズムや画面表示技術の研究が必要があると主張。
この考え方のもとで、OnePlus 12のカメラの実力と表現は、カメラの新たなピークに達したとしています。
SONYと共同開発の「LYT-808」を搭載
OnePlus 12では、広角カメラにSONY製のLYTIAブランドの「LYT-808」を搭載することを発表。
技術アーキテクチャ、フォーカス技術、色再現性、ダイナミックレンジの面で業界をリードするSONYと共同設計に基づきLYT-808を開発。フラッグシップのイメージセンサーとしてSONYの1型センサーに次ぐものになるのではないか、と性能の高さをアピールしています。
LYT-808はOnePlus OpenやOPPO Find N3に搭載された「LYT-T808」と呼ばれるイメージセンサーであることも明言。LYT-T808は1/1.43型でありながら、2層トランジスタ画素積層型の設計を適用することで、1型のイメージセンサーに匹敵するダイナミックレンジと暗所撮影性能を実現すると謳っていました。
LYT-808とLYT-T808の違いが何なのかというのが気になるところですが、OnePlusは前者を非フォルダブル向け、後者をフォルダブル向けのフラグシップセンサーであるとややおおざっぱな説明にとどまっています。
違いについて、筆者は「LYT-T808」は2層トランジスタ画素積層型であるのに対し、「LYT-808」はその構造になっていないと推測します。Xperia 1 Vの説明では「Exmor T for mobile」と2層トランジスタ画素積層型センサーを呼称。LYT-808とLYT-T808のTの有無はExmor T for mobileかどうかを指していると考えることができそうです。
なにより、LYT-808では2層トランジスタ画素積層型について触れられなかったことが大きな証拠になるのではないでしょうか。もしそれが事実であれば、わかりづらいネーミングを行い、違いを説明しないOnePlusとSONYは不誠実な気がしますね。
他方で、LYT-808でも同じく高い撮影能力を誇るとし、感度とダイナミックレンジに代わる飽和信号量を高めているとしています。また、低消費電力で様々なHDR撮影方式や全画素を用いた像面位相差オートフォーカスなどハイエンド機能を有しているとのこと。
実際の撮影比較も紹介しており、Xiaomi 14 Proと思われるスマートフォンよりも被写体の露出が正確で、目で見たコントラストに近い表現をできているように見えます。
作例からf/1.6の明るいレンズを搭載していることも判明しています。
OnePlus 12では望遠カメラも強化
OnePlus 12シリーズはOnePlusシリーズで初となるペリスコープ望遠カメラを搭載。
ペリスコープ式の望遠カメラは、従来のプリズムを使用しない望遠カメラに対して、同じ画角のもとでは大きなセンサーを搭載できるために画質を上回り、同じセンサーサイズでもより望遠の画角の設計にできる、高度な光学構造を有していると強調。
このため、ペリスコープ式でないXiaomi 14 Proの望遠カメラに対して、1.5倍のセンサー面積を同じ画角で使用できます。Xiaomi 14 Proと思われる端末との作例比較では、解像度の高く目や眉の質感をより正確に捉えています。
OnePlusはこのように宣伝していますが、Xiaomi 14 Proの望遠カメラには望遠マクロ撮影機能やより明るいレンズを搭載し、OnePlus 12の望遠カメラに対して優位な点もあることにも注意が必要です。
ペリスコープ望遠カメラの詳細なスペックは以下の通り。
- 35mm判換算焦点距離:70mm (光学3倍)
- 6400万画素 1/2型
- f/2.6 プリズム式OIS
高画素・大型・明るいレンズで使いやすい焦点距離と申し分のないスペックとなっており、さらに赤外線を除去するIRカットフィルター、フレアやゴーストに現れるレンズへの反射を低減するALCコーティングが施されています。6倍のロスレスズームにも対応し、同クラスで最高の望遠カメラになりうるとしています。
カメラ機能が強化されたOnePlus 12は今冬に発売されることが予想されます。