Googleは、先日発表されたAndroid XRにおける操作方法やUIの構造について紹介した動画を、YouTubeのAndroid Developersチャンネルに投稿しました。ここからAndroid XRのUI/UXについての思想が紐解けます。9to5Googleが伝えています。
Android XRはGoogleが12月13日に発表したXRデバイス向けのOS。XRは使用者を仮想的な空間に送る仮想現実(VR)、ポケモンGOなど現実世界にコンテンツを入れ込む拡張現実(AR)、ARをより進化させた複合現実(MR)の総称。Android XRはGoogle Geminiの対応により、AIのサポートでテクノロジーを日常生活に融合させることを目標としており、様々なデバイスで用いられる予定。
そんなAndroid XRですが、主にメガネやゴーグル型デバイスで用いられるわけであり、もちろんその操作方法は従来のスマートフォンなどとは大幅に違い、また多様なデバイスで利用できるようにするために、多くの操作方法をサポートしています。その一つが「ジェスチャーナビゲーション」と呼ばれるもの。
Android端末で言うところのジェスチャーナビゲーションといえば、Android 10から搭載されたバータイプのアレです。しかしAndroid XRにおけるジェスチャーナビゲーションは「3ボタンナビゲーション」と呼ばれている、おなじみの戻る・ホーム・最近使ったアプリが並んでいるものとなっています。
この操作はユーザーが親指と人差し指をくっつけることによって呼び出し、そのまま手を左右にスライドさせることで行います。この操作体形はまさにMeta Questシリーズのジェスチャーコントロールに近いものですね。
また、Android XRはハンドトラッキングとアイトラッキングの両方に対応しており、Googleが開発した自動検出機能によって、両者の操作方法の切り替えを簡単に行えるようにするとしています。さらにキーボード・マウスやゲームパッドによる操作に加えて、Geminiに話しかけることによる音声入力や操作にも対応するとのこと。呼びかけてから実行されるまでのレイテンシが気になるところです。
Android XR上のアプリは、「ホームスペース」と「フルスペース」の2つの空間上で開くことができるとのこと。ホームスペースはまさに生活の中に画面が浮かんでいるような感じで、いくつものアプリがすべて2DのUIで表示されるもの。空っぽのテレビ台の上にYouTubeアプリを展開したりとか、マウスとキーボードしかない机に仮想的なウィンドウを配置したりといったことを行えるのでしょう。
一方フルスペースはアプリが主役。他のアプリは最適化の上最小化されるようで、没入感のある体験を得られるとのこと。Google検索から得た3Dモデルを表示する際や、Googleフォトの画像を疑似3D表示する際に役立つとしています。
また、アプリによってはウィンドウを空間的に配置することもできるようです。たとえばGoogle Meetでは、メインの会議ウィンドウから分離してアクションバーやチャットウィンドウが存在することにより、より多くのスペースを活用できるようになるとのこと。
Android XRにおいては、ユーザーの正面を中心とした視野角41度内に主要なコンテンツを配置すべきとしているようで、これをはみ出すとユーザーが頻繁に頭を動かす必要が生じ、疲労を感じやすくなる可能性があるとのこと。
そのため、Android XR側でユーザーの視野角に応じてコンテンツのUIサイズを自動的に変更する機能も備えているとのこと。
Android XRを搭載した初の商用デバイスは、GoogleとSamsungが共同開発した「Project Moohan」になると言われています。今後の動向に期待したいところです。