クアルコムは、Armとのチップライセンスをめぐる訴訟で重要な勝利を収めたとロイター通信が報じました。
米デラウェア州の連邦裁判所で行われた陪審員裁判で、クアルコムのプロセッサがArmとのライセンス契約に基づいて適切に使用されていることが認められたそうです。
この判決により、クアルコムはノートPC市場への参入に向けた開発を継続できることになります。特にAIを活用したPCの実現に向けて、競合のNVIDIA、AMD、MediaTekなどと同様にArm系プロセッサの開発を進めていくことが可能になりました。
今回の訴訟は、クアルコムが2021年に14億ドル(約2000億円)で買収したスタートアップ企業Nuviaのライセンス契約をめぐって争われていました。陪審員団は、クアルコムがNuviaの技術を用いて開発したチップについて、自社のArm契約下で適切にライセンスされていると判断しました。
ただし、Nuviaのライセンス契約違反の有無については陪審員の意見が分かれ、判決に至りませんでした。このため、Armは新たな審理を求める意向を示しています。マリーエレン・ノレイカ判事は両社に対して調停による解決を促しました。
バーンスタイン証券のアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は「クアルコムの将来的な開発計画に対する最大の懸念が、ほぼ解消された」とコメントしています。