NTTドコモは2025年5月21日、「ドコモ絵文字」の提供を2025年6月下旬以降に発売する機種から終了すると発表しました。
機種によって提供終了時期と継続利用の可否が異なります。
Samsung Galaxy製品については、2025年7月以降に発売される機種からドコモ絵文字が利用できなくなるそうです。これらの機種ではサムスン電子が提供する絵文字を使用することになります。ただし7月以前発売の一部機種でも、アップデートでドコモ絵文字削除の可能性があるとしています。
それ以外の端末、Androidとドコモケータイについては、2025年6月下旬以降に発売される機種からドコモ絵文字が利用できなくなるとのことです。これらの機種ではGoogleが提供する「Noto Color Emoji」を代わりに使用することになります。なお注意点として、2025年6月下旬以前に発売された機種ではドコモ絵文字が継続して使えるとのことで、アップデートでしっかり対応するサムスンとは対応姿勢が異なっているため、それまでに発売されたドコモのAndroid端末(GalaxyやPixel以外)は買わない方が賢明です。7月以降発売の機種を待ちましょう。
機種カテゴリー | ドコモ絵文字 提供終了タイミング |
代替絵文字 | 既発売機種での扱い | 備考 |
---|---|---|---|---|
Samsung Galaxy | 2025年7月以降に発売される機種 | サムスン電子 提供 (Samsung Emoji) |
一部の2025年7月以前発売モデルは2025年10月以降配信のソフトウエア更新でドコモ絵文字が利用不可に | アプデ対象機種・時期は後日案内 |
それ以外 | 2025年6月下旬以降に発売される機種 | Google 提供 (Noto Color Emoji) |
2025年6月下旬以前に発売された機種は継続してドコモ絵文字を利用可 | アプデでの絵文字の廃止は公約されず |
廃止理由については「昨今の端末の絵文字の利用状況を鑑み」としており、判然としません。絵文字の利用はむしろ増えているはずです。
これまでドコモ絵文字は、新旧絵文字混在によるみにくさやダークモードでの視認性の低さ、IME・画面・送信先端末で異なる絵文字が表示される弊害、視覚障碍者・色覚多様性への無配慮といった様々な点が批判されてきました。一部はアップデートで緩和する弥縫策もとられましたが、それでは足りなかったようです。長年端末に鎮座し、利用者に苦痛を与えてきたドコモ絵文字が、ようやくここでその幕を下ろすこととなります。
ドコモは絵文字のほか、キャリアロゴについても廃止しています。iPhoneやPixelといった米国製端末は、絵文字を含むキャリアのプリインストールアプリやドコモロゴ印字の魔手から逃れられる「最恵国待遇」を受けていました。国内メーカーがほとんど壊滅した後になって重たい腰を上げるのは、あまりにも遅すぎたと言わざるを得ません。
少なくとも当のドコモ絵文字にとっては、かつてコミュニケーションを効率的にするからこそ大きな称賛を集めたはずが、コミュニケーションを阻害する本末転倒な存在となっていたのは、望まない展開だったはずです。野ざらしで惨めな姿で老体を長年放置され人々に疎まれていたのが、今さらでも博物館に送られることになったのは、きっと本望でしょう。