日本市場でも Surface RT が投入され、Windows RT に注目が集まっているが同OSを搭載する端末は Surface に限らない。今回は ASUS が投入する Vivo RT TF600T をお借りする機会があったため、レビューをしていきたい。
持ちやすさを考慮し、落ち着きのあるデザイン
ASUS の製品は ZENBOOK の影響あってか、背面には同心円状のヘアライン加工が施されているイメージがある。しかし、TF600T は質感と堅牢性を考慮した素材を利用しているためか、同心円状ではなく、画面上部にのみ直線上のヘアライン加工が施されていた。
同社のロゴとヘアライン加工が相まってデザイン性は高い。華美さはないが夕暮れの喫茶店のような落ち着いた上品な雰囲気を持っており、所有欲を満たしてくれる。
Windows RTでもユニークな機構は健在
ASUS の Transformer シリーズは液晶部分と「モバイルキーボードドック」とよばれるキーボード部分を分離することが可能で、液晶部分単体でタブレット端末として動作する。このユニークな機構は Android を搭載したTransformer シリーズから継承されている。
タブレット単体では、以下のスペックを持つ。
チップセット | NVIDIA Tegra 3 1.3GHz |
---|---|
メモリ(RAM) | 2GB |
内蔵フラッシュメモリ | 32GB |
ディスプレイ | 10.1インチ Super IPS+液晶 1366*768ドット |
バッテリー | 約9時間 |
重量 | 約525g |
無線LAN | IEEE 802.11 b/g/n |
Bluetooth | 4.0 対応 |
キーボードドックとドッキングさせた様子。
キーボードドックにはキーボードだけでなくタッチパッド、フルサイズのUSBポート、動作時間を延長させるバッテリーを搭載しタブレット単体だけでは実現できないノートパソコンとしての機能がプラスされる。
タブレット単体 | タブレット+キーボードドッグ | |
---|---|---|
バッテリー | 約9時間 | 約16時間 |
重量 | 約525 g | 約1.1 kg |
フルサイズUSBポート | なし | 1個 |
キーボードは最近では一般的となったアイソレーション型、キーストロークは若干浅いが打鍵感は悪くない。ただし、一部変則的な配列をしている箇所があるため注意が必要だ。
また、パームレストの領域が狭く、キーボードで文字を入力している際に手の甲がタッチパッドに触れてしまい、マウスポインタが動いてしまうことがあったのが残念だった。
独自のポートで充電&ドッキング
ドッキングにはタブレット下部のポートとキーボードドックのヒンジ付近にあるコネクタをはめ込むことによって実現されている。他の製品ではキーボードを物理的に接続しても、実際はワイヤレス接続されているというものもあるが、本体にバッテリーを内蔵する本製品ではそれができない。
また、キーボードドックの充電を行うコネクタの形状はドッキングに利用するコネクタと同一の形状をしており、よく考えられているポイントだと感じた。
なお、充電はACアダプタに専用のケーブルを挿して行うため、汎用的な microUSB ケーブルを利用できない点には注意したい。
小型で持ち運びできるおもしろいガジェット
液晶部単体で10インチのタブレットとして動作する独特の機構を備えるため、ノートパソコンとしてみると非常に小型にコンパクトだ。
筆者が普段持ち歩いている12インチのモバイルノート( ThinkPad X200s )と比較しても一回り小さいことがおわかりいただけるだろう。
このサイズで RT ながらも Windows が動作し、なおかつキーボードが利用できる、魅力的なハードウェアといえるだろう。
ソフトウェア(主にWindows RTとの相性になるが)の使い勝手はソフトウェア編で触れていく。
機材提供: EXPANSYS JAPAN ( http://www.expansys.jp )