不測の事態に備えて、Android端末のバックアップは取っておきたいところですよね。
これまで、端末上のアプリをのデータごと、まるごとバックアップする方法として、「Titanium Backup」などがありました。
しかし、この方法では、いわゆる「root化」が必要となるため、端末の保証が受けられなくなるリスクを背負う必要がありました。リスクに加えて、Android SDKのインストールや一定水準のリテラシーを求められることから、少々敷居が高いものでした。
そこで登場したのが、Android SDKも「root化」も不要な、新しいフルバックアップ方法が「Holo Backup」です。(玄人向けに言うと、ICS以降のadb backup程度のためにわざわざSDK入れるのも難儀だなあ、コマンド面倒だしGUIでサクッとやりたいなあ、という人向けのソフトです)
インストール
「Holo Backup(Simple ADB Backup)」は、Android 4.0以上のOSのアプリケーションをバックアップするための、Windows(およびLinux)用のソフトウェアです。開発者の海外コミュニティ「XDA deveropers」にて開発され、現在こちらからダウンロードすることが可能です。
ダウンロード後、解凍し、フォルダーを適当なディレクトリに配置して下さい。
下準備:Android側の設定から、ADBドライバーのインストールまで
Android側の設定とADBドライバーのインストールについて説明しておきます。(このあたりは上級者や開発者の方は軽く読み流してもらっても問題ないでしょう)
PCとAndroid端末を接続する前に、開発者向けオプションの設定を変更する必要があります。(Android 4.2以上の場合はオプションの有効化が必要) USBデバッグをオンにしておきましょう。
同じく開発者向けオプションの「PCバックアップパスワード」を設定。未設定時は、「現在のフルバックアップパスワード」は空欄にして、新しいパスワードを入力すればOK。
また、USB接続モードをMTPにしておく必要があります。(機種ごとに設定項目の位置が異なります)
XPERIAやGALAXYであれば、USBデバッグを有効にした状態で、PC CompanionやSAMSUNG Kiesといった連携ソフトと接続すれば、ADBドライバーのインストールもいっしょに完了するという非常にスマートな作りになっているのですが、その他のメーカーの機種の場合、ADBドライバーを手動で入れなければならない場合があります。
ドライバーのみインストールするには、メーカーのサイトから、自分の機種のドライバーをダウンロードし、解凍しておきましょう。
Windowsのコントロールパネル→セキュリティ→デバイスマネージャー→他のデバイス→デバイス名をクリックし、ドライバーの更新を選んで下さい。
「コンピューターを参照してドライバーを更新」を選び、先ほどダウンロードしたドライバー(の解凍後のフォルダー)を選択して下さい。インストールはほんの数秒で終わります。
Holo Backupの使用方法
PCとAndroid端末をUSBで接続後、「HoloBackup.exe」を実行して下さい。
様々なバックアップ方法が選べます。「Backup of without system apps」を選んでおけば大体間違いないと思います。
ここで「adb: unable to connect for backup」などと表示されてしまう場合は、ADBドライバーが導入されていないということです。下準備を終えてから再度挑戦してみて下さい。
画面上の表記に従って、下準備で設定したパスワードを入力すると、バックアップが開始されます。
バックアップの保存先の切り替えと、アプリ単体のバックアップは、機能していませんでした。(2013 8/24時点) バックアップ中はソフトがフリーズしている(端末上では動作していることがわかる)など、粗削りの部分もありますね。
バックアップのデータはBackups/Backup.abとして出力されます。復元(Restore)する時はこのファイルを使えばいいわけです。まれにデータを復元できないアプリもあるので、あまり過信は禁物です。
総評
adb backupを使うためだけに開発者用のAndroid SDKをわざわざ入れて、慣れないコマンドを打つのも非常に億劫という人もいるでしょうから、このツールはフルバックアップの敷居を下げるという意味では非常に有用だと思い紹介しました。「root化」のリスクを避ける上でも役立ちます。
個人的にはHTC J One HTL22の黒色から赤色に買い換える上で活用しました。
アプリによって相性もありますし、このバックアップの復元が必ず成功するという保証もありませんから、このツールだけを頼らず、写真やPIMなどのデータはクラウドなどでもバックアップするなど、あくまで保険のうちのひとつとして活用することをおすすめします。