KDDI 夏モデルのフラッグシップ「HTC J One HTL22」の、後から発売された黒色(「ブラックメタル)を利用しています。先行して発売されていた銀色は、ボディが銀色なのに電源ボタンは黒色という点が個人的にいまひとつだったのですが、こちらは黒で統一されており、違和感がありません。大変満足しています。
(美しいアルミボディ。イヤホン、充電端子に蓋はなし、防水もなし)
国際版とは異なり、日本版は裏蓋の着脱が可能な仕様に。蓋を外すとSIMカードとmicroSDカード(最大64GB)を差し込めます。
アルミニウムボディゆえに加工が難しいために、個体によっては粗が目立ち、裏蓋がmicroSDカードと干渉するなどの報告があります。HTCが製造を担当した「INFOBAR A02」も裏蓋が浮くとの報告が相次ぎ、以前使っていた防水機種「HTC J Butterfly HTL21」もすぐにmicroUSBを保護する蓋が取れてしまったことがあるので、HTCは日本向けで作りの甘い部分があるのかもしれませんね。自分の購入したブラックの個体には、幸いにも問題は見当たりませんでした。黒は後発なだけ品質が安定していたりするのでしょうか。気になる人は、店頭で購入前に念の為確認させてもらうといいと思います。
イヤホン出力での「Beats Audio」よりも、特筆すべきは内蔵スピーカー(HTC BoomSound
一般的なスマートフォンのスピーカーは背面に位置しており、イヤホンを挿さずに音楽を再生するにはいまいち。それまで常用していた「XPERIA Z」に至っては、スピーカーが右側面の下部に一箇所あるのみで、音の方向が偏ってしまうので、全くもって不満でした。(SONYが別途販売しているNFC対応のアクティブスピーカーを使えば済む話ではありますが)
それに対して「HTC J One HTL22」は、スピーカーの配置が素晴らしい。縦に持っても横に持っても、音が均一に鳴り響きます。臨場感が違うんです。
「iPhone 5」の音響もいいと思うのですが、横に向けると音が偏ります。LGのタブレット端末「Optimus Pad L-09C」はスピーカーを計3基配置、音の鳴り響く方向を工夫していましたが、ここまでいいと思ったのはそれ以来です。わざわざアクティブスピーカーと接続するつもりはなく、気軽に内蔵スピーカーで動画や音楽を楽しむことが多い人には、ぜひ重視してもらいたいところ。
ディスプレイは4.7インチFHDのTFT液晶。手持ちの機種とそれぞれ最大輝度で比較してみました。たとえ4.7インチでも、最近の機種と比較すると特段大きいわけではありません。ベゼルが太めなのは若干気になるところ。見え方は「iPhone 5」に近いですね。FHD解像度により開口率が下がったせいか、最大輝度の控えめなZと比べると少し明るいです。
(左からXperia Z, Galaxy S4, HTC J One, iPhone 5)
正面からは完全に好みの世界。個人的には「GALAXY S4 SC-04E」が好み。視野角はHTL22も広いですね。(以前の検証通り、Zは狭い)
HTL22の新しいCMOSセンサーを積んだ「ウルトラピクセル(Ultra Pixel)カメラ」は、画素数を400万に抑えたことで、1つあたりの画素を大きくし、取り込める光の量が大きいという特性があります。
画素数が下がっているために大画面で拡大して閲覧する場合などにディテールがいまいちという問題はあるものの、スマートフォンのカメラとしては最適解だと思います。
光を多く取り込めるため、夜間や暗闇で絶大な威力を発揮します。「iPhone 5」も頑張ってはいるのですが、ノイジーな画に。HTL22の方が自然です。
(3機種の比較。S4は1秒以上固定し露光させる「夜間モード」を利用していませんのであしからず)
ブログやソーシャルネットワークにアップロードする程度なら、ディテールはどうでもよくて、ざっくり見栄えがよくて、暗くても気軽に撮影できる方が便利だという人も多いと思います。
本機種は、動画、音楽、カメラといったマルチメディアを楽しむのに向いている機種だと改めて実感しました。ディスプレイを美しいまま保護できるガラスフィルム、動画や音楽をたっぷり保存できる64GBのmicroSDXCカードをおすすめします。
KDDIの中では一番、そして全社の夏モデルの中でも非常に有力な機種だと感じており、迷ったら是非検討していただきたい機種です。