すこし古いニュースなのですが、余所であまり触れられていないので書いてみたいと思います。
モバイル向け広告プラットフォーム大手のFlurry社は、各種デバイス上でユーザーが費やす時間の内訳を調査していて、主たる指標の一つが「アプリの利用時間」です。アプリあってのスマホと言えますから、アプリの利用時間が長いと言う事はそれだけ「活用されている」証と言えます。
さて、この「アプリ使用時間」ですが、これまではiPhoneが常に1位でした。メーカー別に見ると2位はSamsung、3位がHTCで、その他メーカーはさらに下、という状況が続いていました。使いやすさやアプリの環境に分があるiPhoneは不動の1位だったのです。が、今年1月に中国で行われた調査において、ついにiPhoneを上回るメーカーが現れました。
下のグラフをご覧下さい。これは中国国内で使用されているスマートフォン23,000台をランダムに抽出し、アプリの利用時間をiPhoneを100としてグラフ化した物です。Xiaomi(小米)が107%で、iPhoneを上回っていることが分かります。FlurryによるとAndroidデバイスがこの「アプリ使用時間」においてiPhoneを上回ったのはこれが初めてだそうです。
この前代未聞の状況を解明すべく、FlurryではXiaomiユーザーのプロファイリングを行っています。
下のグラフは中国におけるスマートフォンユーザーの平均年齢と、Xiaomiユーザーの平均年齢を差分で示したものです。
35歳以上が2割少なく、その代わり18〜34歳の比較的若い層に受け入れられていることが良く分かります。他ブランドと比べ「若者に人気」という事が言えます。
さらに、Xiaomiユーザーのバックグラウンドをその他の中国平均スマホユーザーと比較したグラフもあります。
ビジネスマンが228%増と突出していますね。「子育て中」が90%増、「運動好き」が60%増で、やはり比較的若い、アクティブな層に利用されていることが良く分かります。逆にゲーマー層は若干減っていて、言ってみればより「やり手な人々」に好まれていると考えられます。
先進国であればiPhoneを選択している層がXiaomiを購入している
Flurryではこれらの結果から、Xiaomiブランドが「大卒の若いビジネスマンに好まれているのではないか」と分析しています。この層は中国の経済発展をまさに支えている人々に他ならず、さらにこの層の人口は急激に増えていて、この1年で7百万人が大学を卒業し、2020年には中国の大卒人口は約2億人(!)になると予想されています。Xiaomiはまさに理想的なユーザー層を獲得していると言えます。
つい先日、Xiaomiの新モデルMi 4が発表されました。いろいろな点で「Appleを模倣している」と評されるXiaomiですが、「すぐれたデザインをより安く」というのは昔Samsungが日本のTV産業を駆逐する際に取っていた手法と同じです。ちなみにSamsungはXiaomiのように様々な独自UIや独自サービスを盛り込みたがっていますが、GoogleはAndroidプラットフォームの細分化を恐れている為、Samsungにあまり勝手なことをしないよう釘を刺しています。が、Xiaomiにはその様な縛りは(今のところ)ないので、自由に自社サービスを展開し、本体以外の部分で利益を稼ぐことが可能です。
今は中国国内を中心に展開しているXiaomiですが、年内にはマレーシア、フィリピン、インド、インドネシア、タイ、ベトナム、ロシア、トルコ、ブラジル、メキシコに進出する計画で、その後は先進国での展開も視野に入れています。
スマホでもすでに「コモディティ化」が始まっています。単なる価格競争になってしまっては、日本はもちろん韓国メーカーであれ中国メーカーには勝てないでしょう。Googleがメーカーによるイノベーションをどこまで認めるのか、もしくは認めないのか。
皆さんの次のスマホがXiaomiになるかどうかは、Googleのさじ加減にかかっていると思います。