米国防総省、通称ペンタゴンは、HuaweiとZTEの製造する携帯端末について、米軍基地内での販売を禁止するよう命じたことがわかりました。
ペンタゴン広報担当官は、「HuaweiとZTEの製品は、米軍の人員・情報・任務に容認できないリスクをもたらす可能性ある」と声明しました。
米軍兵士は現在でもHuaweiとZTEの端末を他の店舗で個人的に購入すること自体はできますが、広報官曰く、そうしたこともできないようにより広範な軍令を出すべきかどうか検討中と述べています。検討の結果、米軍兵士がHuawei・ZTE端末を使用禁止となる可能性もありそうです。
海外メディアThe Vergeがこの件を報道したことに対し、Huawei広報部は「Huawei製品は、世界170カ国で販売されており、米国含む世界各国で安全性、プライバシー、エンジニアリングで最高水準を満たしています。Huaweiは従業員が所有する企業です」とコメントしています。
HuaweiとZTEが自社製品に、中国政府が盗聴できるようバックドアを仕掛けているなどと米政府関係者は話しています。
匿名の関係筋がウォール・ストリート・ジャーナル紙に語ったところによれば、米軍は、中国政府がHuaweiとZTEの製品を使って米軍兵士の正確な位置測位情報を捕捉することを懸念している、と語ったとのことです。
中国製品へのセキュリティリスクの不信感が、昨今の米中貿易摩擦で槍玉に挙げられた形です。ZTEは対イラン制裁違反と虚偽申告で米国製品を7年間利用不能となり、倒産も噂される中、Huaweiも対イラン制裁違反で当局に調査を受けており、今後もHuaweiとZTEにはさらなる締め付けも予想されます。
一連の事態は対岸の火事では済まされません。アメリカ合衆国は日本国内にも在日米軍基地を展開しており、在日米軍兵士にも同様の措置を講ずるものと考えられます。HuaweiやZTEは日本国内においてSIMフリー・キャリア製品を販売、さらに国内携帯キャリアはHuaweiやZTEの通信設備を数多く導入しています。米国の同盟国に当たる英国でもZTEに対する締め付けが始まりつつあり、当然ながら同じく米国の同盟国である日本としても、政府対応の変更を迫られる可能性があります。