高価なものは「偽造」犯罪がつきものですが、さすがにiPhoneを偽造したところで、電源を入れたらバレるのでは……と思うところですが、そこは何でもありの中国。
見た目は新品同様なiPhone 8Plus/64GBのスマホを、たったの4,000元(1元=16円、約6万5千円)で販売、3カ月の間に20万元(約324万円)以上の利益を得ていた詐欺集団が逮捕されたと、中国中央電視台の運営する「央視網」が伝えました。
今年4月、紹興酒の産地として有名な浙江省紹興の管くんは、インターネットでiPhone8 Plusを販売する広告を見たと言います。出品者がいうに、売り出しているiPhone8 Plusは四川省で購入した新品であり、購入した際の領収書の写真もあったといいます。
次の部分は、被害者である管くんと中国中央電視台の記者による一問一答。
領収書もあり、領収書には確かに四川のある店で買ったものとあり、しかも日付も最近だったので、本物だと思いました
なんでこのスマホを売ることにしたかは聞きましたか?
仕事の都合でSIMカードを2枚挿して使う必要があるのに、このスマホは1枚しか挿せないから、処理することにしたと……
これを信じた菅くん、早速この相手から購入し、新しいスマホを楽しみにした管くんはさらにスマホケースを買いに行ったそうです。しかし、待ちに待って届いたスマホを手にしたとき、騙されたと気付いたと言います。
手にしたとき、どんな異常がありましたか?
本物と違いました、私が買ったスマホはケースに入らなかったので
そのあと、どうやってその疑いを調べたのですか?
家の近所のスマホ屋に行って詳しい人に聞きました。そしたら、6Plusを8Plusに改造したものだと言われました。買った相手にどういうことか聞いても認めず、ブロックされました
ブロックされた管くんは、紹興越城公安分局刑偵大隊(警察署刑事課)に通報。警察の調べにより、被害者は全国各地にわたり、しかも販売者は個人ではなく、ある程度の規模の団体による事件であることが判明したそうです。
警察によれば、被害者は100人以上、浙江省、成都、海南省、山東省、雲南省などにおよび、被害額は20万元前後だとのことです。
この犯罪団体は、深圳で1,500元で購入した6Plusを8Plusに改造し、広告で買い手を惹きつけて、ターゲットの買い手を選んで販売するモデルが、非常に研究されているといいます。
この団体がインターネットのショッピングプラットホームで情報を発信する目的は、低価格によって若くてリテラシーの低い大学生を引き寄せて、販売の際にはサイトを通さずに着払いで金銭をやりとりすることで、騙された後にサイトへ通報できないようにしてたそうです。
また、購入前のやりとりで、「これまでに使ったスマホは?」「iPhoneは使ったことがあるか」「中古スマホを買うのは何のため?」など質問することで、買い手のiPhoneへの理解度を試していたと言います。
警察は四川省ですでに犯罪団体の7人を逮捕したそうです。
売っているのは確かにiPhoneだけど、旧モデルを改造したものとは、なかなか手が込んでいますね。メル●リなどで同様の詐欺が出現する可能性もあるので、注意したいところです。
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