日本経済新聞は、SoftBankが次期5Gのみならず、既存の4G基地局からもHuaweiとZTE製設備を無くす方針を固めたと報じました。共同通信の報道を追認するものです。
理由としては、法人などの大口顧客の流出対策としています。
既存基地局の1割程度が両社の設備とみられ、これらを数年かけてスウェーデンのEricssonとNokiaに置き換えるとのこと。ドコモ、KDDIはHuawei製を採用しておらず、楽天も採用しない見通しとのことです。
Ericssonといえば、証明書問題で世界的なサービス停止を起こし、SoftBankで大規模障害を起こしたばかりですね。今年ほど通信機器ベンダーに注目が集まった年もないかもしれません。
日本政府は米国に追随し、中央省庁やインフラからのHuawei・ZTE排除を推し進めています。中国政府系メディアは日本の対応を対米追従であると批判しています。
SoftBankは米国市場でSprintを子会社として持っており、T-Mobileとの承認待ち。米国では国防権限法のもと、来夏以降、中国特定メーカー製品を採用し続ける企業は米国政府との取引ができなくなります。米国での事業を抱える以上リスクを避ける狙いもあるものとみられます。
HuaweiのCFO逮捕、中国でのカナダ元外交官拘束、米国政府による中国への渡航自粛勧告検討など、Huaweiをめぐる米中貿易戦争は加熱しています。どこに着地点を見出すのか、冷静に見極めたいところです。
本件は、あくまで国家対国家、国家対企業の問題であり、政府・インフラに関する事業に従事していない一般消費者には直接は影響しないものです。
それによりも、Huawei端末を利用することで個人ユーザーに関係があるのは、端末内データ全送信に同意させていると取られかねない利用規約の存在や、利用者同意なき不正データ収集をCEO自ら正当化するトレンドマイクロの製品(ウイルスバスター)がプリインストールまたはアップデートで追加された件であると思います。
参考:
- ファーウェイの利用規約は英語と日本語で違う、全てのデータを持っていかれる? – ファーウェイのスマホの口コミ – 格安SIMとスマホの口コミ
- 高木浩光@自宅の日記 – 業界の信用を傷つける思想を開陳したトレンドマイクロ社にセキュリティ業界は団結して抗議せよ, 追記(11月3日)