カナダの元外交官Michael Kovrig氏が、中国政府当局に拘束されたことがわかりました。サウスチャイナ・モーニング・ポスト、AP通信、ロイターが報じました。
同氏はベルギーに本部を置く非営利団体ICGの北東アジア上級顧問であり、カナダの元外交官。北京、香港、ニューヨークの国連本部などで外交官として活躍してきた人物です。
米国政府の要請の元、カナダ当局は中国メーカーHuaweiの孟晚舟CFOを逮捕。対イラン制裁違反容疑や、パスポートを7枚所持していた、などの情報が伝えられています。
Huaweiはスマートフォンメーカーとしても通信機器メーカーとしても世界大手であり、孟CFOはHuawei創業者の娘。
中国外交部はカナダ大使を呼び出し、CFO逮捕について強く抗議、重大な結果をもたらすと迫っていました。
カナダ元外交官の表向きの拘束理由は不明ですが、カナダ政府に対する報復であると共に、いわば人質を取ったも同然です。
この記事を執筆中、CNNとBBCは、カナダの裁判所がHuaweiの孟晩舟CFOを、1000万カナダドル(日本円で8億5千万円弱)で保釈を認めたと報じました。
孟CFOの弁護士は、孟は重度の高血圧を患っているため早期釈放が必要だと述べています。
保釈にあたり、パスポートは当局が押収し、GPSブレスレットをCFOの足首に装着しているとのことです。
米司法省はこの事件についてのコメントを拒否しています。
カナダに対し、米国は孟CFOの身柄引き渡しを要求していますが、中国の強い圧力がある中、極めて不透明な情勢となっています。