弊誌はアフィリエイト広告を利用しています。

Huawei P40 Proレビュー。万人に推奨は到底不可能

 Huaweiは米国により制裁措置を受けています。その影響によりGMS(Googleサービス)がすべて利用できない状態になっています。そんなP40 Proは実用できるのか。そして端末の出来はどうなのか。レビューしていきます。

外観

 今更ですが一応外観を確認していきます。背面はつるつるしたガラス、カメラユニットはかなり大きめ。光の当たり方で色が若干変わるのがおしゃれですね。

 側面は音量ボタンと電源ボタンのみ。反対側にはなにもありません。端子はUSB Type-Cのみ。イヤホンジャックはありません。上部にはIRセンサーがあります。

アプリ問題

 初期設定は意外とすんなり行きました。Huaweiアカウントは所持していたので、それでログインするだけでOK。思っていたより普通に使えるのではないか?と思っていたのもつかの間。アプリインストールから徐々に雲行きが怪しくなっていきます。

GMS問題

 ご存知の通り、通常のAndroidスマートフォンならPlayストアからおおよそのアプリはダウンロードできます。しかし、P40 Proは制裁措置によりGMSがない状態です。その代わりにHuaweiが用意したHuawei App Galleryがあります。ここからアプリはダウンロードできるのですが、普段使っているアプリケーションはほぼ無い状態です。

 例えば筆者が頻繁に使うTwitterやInstagram、Discordといったアプリはありません。App Galleryにある有名なアプリはLINE、ヨドバシカメラ、など、かなり偏りがあります。

Amazon Appstoreを使い回避

 これらの問題を解決するに手っ取り早いのがAmazon Appstoreを利用するのが最も楽で安全です。Amazon Appstoreはブラウザからapkをダウンロードして簡単にインストールすることができます。こうしてしまえばKindle Fire端末とほぼ同等の使い方ができるようになってきます。

 先程述べた、TwitterやInstagramはAmazonからインストールすることができます。DiscordやGoogleフォトはありませんが、贅沢は言ってられません。

パスワードで詰み

 筆者は普段1Passwordを利用してパスワードを管理しています。1Passwordは様々なサービスのIDやパスワードを管理したり、突破されにくいパスワードを生成したりしてくれる便利なサービスです。GoogleでもChromeでパスワードを記録して自動入力してくれる機能がありますが、それの高機能版みたいなものです。

 そのため、1Passwordのパスワードさえ覚えておけばその後は自動でログインできるので、筆者はほとんどのサービスのパスワードを覚えていません。

 しかしHuawei端末では1Passwordがありません。そのため、TwitterやInstagramなど多くのアプリでパスワードを入力する必要があります。初めのうちは根気強く入力していましたが、3つ目のサービスを入力中に一旦、挫折してしまいました。

 ましてや新たにサービスへ登録しようとする場合、P40 Proでは1Passwordが使えないため、パスワードを記録することもできず、安易なパスワードになってしまいセキュリティが低くなってしまいます。

デフォルトのアプリで使う

 Huawei App Gallery、Amazonのストアにあるアプリの範囲内でカバーする必要があります。筆者がよく利用するアプリの使用感をそれぞれ紹介します。

Twitter

 TwitterはAmazonからインストールできます。プッシュ通知は利用できません。通常のツイートや画像のツイート、RTやいいねなど通常機能は問題なく利用できました。

Instagram/Facebook

 Instagram/FacebookもAmazonからインストールできます。こちらは通知にラグがありますが、一応来ます。投稿、ストーリーも問題なく利用できました。

ZOOM

 流行りのZOOMはAmazonからインストール可能です。

音楽サービス

 筆者はSpotifyを利用しています。しかしHuawei AppGallery、Amazon Appstoreともに、Spotifyはナシ。

 Amazon Musicは、Amazonからインストール可能。音楽も問題なく再生できました。Amazon Musicにはキャスト機能があり、通常のAndroidデバイスならGoogle HomeやChromecast、Amazon Echoなどで再生することができるのですが、HuaweiデバイスではAmazon Echoのみにキャストできます。キャスト機能を使う人は要注意です。

YouTube

 YouTubeはブラウザで視聴できます。ただ、あくまでブラウザで再生しているだけなのでバックグラウンド再生もできず。また先程と同様キャスト機能も一切使えないので、筆者のようにNest HubにYouTube動画をキャストしてみることもできません。 PCレイアウトに変更してもできませんでした。

有料VOD

 Huawei App GalleryにはU-NEXTのみあります。AmazonにはAmazonプライムビデオやDAZNはあります。Amazonプライムビデオは問題なく再生できました。プライムビデオ経由で加入しているdアニメストアも問題ありません。また、PiPにも対応し、再生しながら他のことをすることができます。ただDRMのWidevineのレベルが低く、最高画質にしても画質が悪いです。

カレンダー

 デフォルトで用意されているカレンダーはMicrosoft Exchangeのみサインイン可能です。

 Googleカレンダーを利用している人は別途アプリを探す必要がありますが、筆者の探す範囲では利用できるアプリは見つけられませんでした。

メール

 デフォルトのメールサービスではGmailへログインが可能です。送受信はできるものの、リアルタイムのプッシュ通知は不可能。フェッチしかできません。

買い物

 デフォルトでAliExpressがインストールされているのにちょっと笑いました。注文しても届くのは忘れた頃……。Huawei App Galleryではヨドバシカメラアプリをインストールできます。ゴールドポイントカードアプリもインストール可能です。

 またAmazonアプリからAmazonのショッピングアプリもインストールできます。Prime Nowも利用可能です。

 電子書籍はAmazonアプリからKindleをインストールできるので困ることはありませんでした。Huawei App Galleryではヨドバシカメラの電子書籍アプリをインストールできました。

キャッシュレス

 一番人気のPayPayはインストールできません。またLINE Pay、楽天Payなどもインストールできません。AlipayやWeChat Payはありますが……日本人が使うのはちょっとハードルが高いですね。

ナビ/乗換案内

 ナビは選択肢がありません。Huawei AppGalleryでYahoo!がアプリを公開していたのですが、記事執筆中、すべて引き上げられていることを確認しました。

 公開されているのはNAVITIMEとジョルダンのアプリ。Huaweiデバイスでカーナビを使うならNAVITIME一択になりそうです。しかしGoogleマップやYahoo!乗換案内に慣れていると使いづらいところがあります。

LINE

 日本の必須アプリLINE。HMS対応当初Huaweiが大々的にアピールしていたアプリですが、実際はGoogle Driveに依存しており、GMS非対応の本機はクラウドでのLINEトークの移行/バックアップは不可能です。

写真バックアップ

 通常ならGoogleフォトで自動バックアップなのですが、もちろん利用できません。代用としてはAmazonからインストールできる、Amazon PhotosやOneDriveのオートアップロードを利用しました。これで写真をパソコンに転送するたびに有線で繋ぐ手間が省けます。

カメラ

 Huaweiといえばカメラと言われるようになりました。筆者もP30は使用したことがあり、様々なシチュエーションで綺麗に撮れるなあと感動していました。P40 Proではどうなのか。色々なシチュエーションで検証しました。

 まずはメシ。一番多いシチュエーションかも知れません。全体的にバランス良く、綺麗に撮れていると思います。

 こちらは暗い店内で「ちょっと厳しいか?」と思いましたがノープロブレム。余裕で撮れちゃいますね。数年前のスマホならこんなに綺麗に撮れないと思います。

 屋外のシチュエーション。全体的に綺麗に撮れてはいるのですが、やや青みが強い印象を受けました。

 こちらは夜のシチュエーション。若干モヤが掛かっているのは雨が降っていたから。しかし、電光掲示板も潰れることなく、アスファルトの質感までしっかり描写されています。

 望遠は夜じゃ厳しいよな~~というのも過去の話。P40 Proは望遠でもしっかり撮れます。もちろん三脚なんて使っていませんよ。これは少し露出がアンダー目になってしまいましたが、個人的には適正露出だと思っています。車のヘッドライトの光芒までしっかり描写されているのは驚き。

 今年はGalaxy S20 UltraやiPhone 11 Pro、Xperia 1 II、Google Pixel 4など多くのハイエンドスマホのカメラを使ってみましたが、個人的にはP40 Proが一番良いのではないかと思います。何もしなくても簡単に、綺麗に見える写真が撮れやすいからです。

総評:改めて感じるGoogleの偉大さ

 Googleがなくても割とどうにかなるのでは?と思っていましたが、普段使ってないアプリがないだけでここまで苦労するとは思いませんでした。アプリがないだけ、と軽く考えていましたが、Googleサービスを除外すると家にも影響が出てきました。

 例えば筆者の家ではGoogle Homeを利用しており、繋いでいるIoTデバイスはHuaweiデバイスから一切制御できません。また普段料理をしながらNest HubでYouTubeをキャストしていますが、これも出来ません。そしてお気に入りのSpotifyもないので音楽も聞けません。はっきり言って、できないことだらけ

 多くの商用媒体・レビューサイトは「思っていたより大丈夫だった」「ブラウザでまかなえる」と主張していますが、やはり現実は厳しいと思います。DiscordやSlackがインストールできなければ連絡は取れませんし、LINEはインストールできても、Google Driveからトーク履歴復元・バックアップはできません。いくらカメラで写真が綺麗に撮れようとも、それを活かすためのアプリ、共有するためのSNSが利用できなければ意味がありません。

 「野良アプリをインストールすれば行ける」と言いますが、果たしてそのアプリは本当に公式のものがダウンロードできるのか。改変されている可能性も否定できません。また、アプリの更新をするにもまた再度野良アプリを探してインストールする必要があります。そしてインストールできてもアプリに依ってはGoogle Playサービスを利用しているため一部機能が使えない場合もあります。

 これらの行為を一般消費者が行うのは大変リスクを伴い、知識が求められます。今回あえてHuaweiとAmazonのアプリだけで縛りをつけたのはそういう意味があります。

 ある程度知識がある筆者としてもこれを常用して利用するのはかなり厳しいと判断します。しかも価格は税込約12万円。万人には到底勧められない、かなり人を選ぶスマートフォンだと思います。

HUAWEI P40 Pro ブラック HUAWEI AppGalleryモデル【日本正規代理店品】 P40 Pro/Black

すまほん!!を購読しませんか?

Twitterでも最新更新を配信・通知しています

フォローする 再度表示しない