次世代ゲーム機、PlayStation 5(以下PS5)。購入してから約2ヶ月ほど経ちました。2ヶ月ガッツリ遊んだ感想を書いていきます。
外観やファーストインプレッションに関してはこちらの記事をどうぞ。
Index
ゲーム
ゲームにおいては最大8K60Hz、4K120Hzと、もはやPCと比較しても遜色ないスペック。そして流行りの「レイトレーシング(光線追跡法)」表現にも対応し、性能だけでゲーミングPCと比較してもPS5が勝ってしまうのではないか?と思ってしまうほど。
レインボーシックスシージ
今回はPS5の新機能に対応したレインボーシックスシージを使って紹介していきたいと思います。プレイ環境はモニターにLG製有機ELテレビ、OLED55C9PJA(4K120Hz HDR対応)スピーカーにはOnkyo SR-343のAVアンプを通じてYAMAHAのスピーカー5個にウーファー1個の5.1ch環境で行っています。
レインボーシックスシージはPS4版で販売されていたタイトルですが、PS5の発売にあたり少し遅れてPS5版が登場しました。PS4版を購入している人は100円を払うことでアップグレードできます。
そのPS5版レインボーシックスシージでは、PS5ではフレームレート重視のパフォーマンスモード(アップスケーリングによる4K120Hz)、解像度重視のレゾリューションモード(ネイティブな4K60Hz)にそれぞれ対応しています。
まず起動して驚くのが立ち上がりの速さ。PS4版と比べても圧倒的。あまりにも起動が高速なせいで「飲み物でも用意するか~~」というゆとりすらない。
以前のPS4 Proでは4Kはアップスケーリングによる対応でUIにモヤがかかったような感じがありましたが、PS5では正式に4Kに対応したことで、起動画面やUIが全体的にカリッとしています。
設定を確認しましょう。設定では先程触れたパフォーマンスモード、レゾリューションモードの変更ができます。今回はPS5の力を試すため、パフォーマンスモードで試してみます。
またフレームレートをチェックするために、左下でフレームレートとPingを確認できるものを表示するように設定しておきます。
友人と一緒にクイックマッチをプレイ。レインボーシックスシージではマッチングすると、防衛側と攻撃側に分かれて対戦します。そしてそれぞれに応じたオペレーターを都度選択。ここで気づいたのが、圧倒的なロードの速さです。PS4を使っている友人や敵チームはオペレーターを選択し処理中になっているのですが、PS5でプレイしている筆者は一瞬で完了します。
これはPS5で搭載された爆速SSDの効果が現れています。しかしR6SのようにPS4とのクロスプレイを実現しているゲームでは旧世代機でプレイしているユーザが、ボトルネックになってしまい、常に「爆速」とはならないのでご注意。いつかPS5ユーザのみになってプレイするとき、爆速でできるんだろうなあと思いながら期待します。
肝心のプレイはと言うと、コマ落ち・カクつくことなく、常にヌルヌル!最高のゲーム体験ですね。
テレビ側でもしっかり4K120Hzを確認できました。5万で手に入るゲーム環境ではないですよコレ……。
そして新しいコントローラーのDual Senseがすごいです。Dual Senseにはアダプティブトリガーというトリガーの硬さを開発者が調節できる機能があります。レインボーシックスシージももちろん対応しているのですが、コレがめちゃくちゃおもしろい!!
ハンドガンはトリガーが軽く、ライフルやマシンガンになるとトリガーがめちゃくちゃ重たい、まるで実際の銃を扱うような感覚があります。はじめは慣れずに結構不便では?と思いましたが、慣れてくると実際の銃のように弾を撃てるギリギリまでトリガーを引いておいてすぐ撃つということもできるようになりました。ゲームがより一層面白くなりますね。
そしてハプティックフィードバックもスゴイ。PS4まではただ振動しているだけでしたが、PS5ではアイテムによって振動が異なる、というか実際に衝撃を体感しているような振動があります。この感覚はPCじゃ味わえないですね。
ASTRO’s PLAYROOM
これはPS5を購入すると同梱、というよりインストールされているゲームソフトなのですが、「つまらないんだろうなあ」と思っていましたが、想像より面白いです。というのも、PS5の新機能を最大限活かしたアソビが盛り込まれています。
先程のレインボーシックスシージでも紹介したアダプティブトリガーやハプティックをよりファンタジーの世界で使うとこうなった、というゲーム。水やボールが転がる感覚、なにかに引っかかる感覚など、まるでゲームの世界に触れているような錯覚があります。
そしてマニアには堪らない要素が盛りだくさん。Do it!や、恐竜のポリゴン、わかる人にはわかる要素が散りばめられています。トロフィーも用意されているので、やりこみ甲斐があります。
Demon’s Souls
デモンズソウルは4K60Hzのみで駆動しますが、十分楽しめます。PS3と比較しても違いがはっきりわかるくらい綺麗になっているかと思います。
まるでパッケージのワンシーンのような画質で常時遊ぶことができる、スゴイ時代。これ当時ハマっていた人がこの環境でプレイしたら堪らないのではないでしょうか。
PS5でもトロフィーを取得すると自動でスクリーンショットを撮影する機能は健在。そのためデモンズソウルのようにスクリーンショットを取る暇がないゲームでもバッチリ撮影されています。なお、筆者はデモンズソウルのようなゲームは苦手でこの先で詰んでいます。誰か助けてください。
シェアプレイ
自分がプレイしているゲームをネットワークを通じて友人にプレイしてもらうシェアプレイ機能は健在です。ただ、PS5のゲームをPS4のユーザにプレイしてもらうことは不可能。必ずPS5同士であることが必須のようです。
また、シェアプレイと同時に新設されたのがシェアスクリーン機能。PS4ではシェアプレイ内の項目に存在しましたが、新たに独立。機能としてはコントローラーを渡さず、パーティー内にプレイ映像を共有するというものです。PS4では1対1でしか視聴できませんでしたが、PS5ではパーティーに参加している最大16人で視聴することができるということ。
例えば先程紹介したデモンズソウルのように、難しいゲームを友人に視聴してもらい、説明や解説をしてもらったり、わからなくなったらシェアプレイで代わりにプレイすることもできます。
YouTubeやTwitchで配信するのと違い、ラグがほとんどないためリアルタイムで観戦することができます。ローカルで楽しむには最高の機能かと思います。
コンテンツ
PS5はゲームだけじゃないです。マルチメディア機としても強い。
お気に入りのDVDやBDはもちろん、4K HDR映像に対応した次世代規格Ultra HD Blu-ray(以下UHD BD)の再生にも対応しています。それ以外にも流行りのNetflixやAmazonプライム・ビデオなど対応しています。
UHD BD
PS4 Proでは対応が見送られたUHD BDですが、PS5でようやく対応。真の4K対応PlayStationになりました。
そもそもUHD BDとは。簡単に言えばUHD BDは4K(UHD)に対応したBD規格のことです。4KだけではなくHDR10やDolby Visionなどにも対応し、オーディオはDolby AtomsやDTS:Xなどにも対応します。
今回はUHD BDコンテンツとして「君の名は。」と「インターステラー」を購入しました。通常のBDでも、PS5では4K相当に自動アップコンバートする機能が引き続き備わっているようで、BDでも綺麗です。
しかしUHD BDで改めて作品を見るとまるで別作品のような没入感。特に「インターステラー」は宇宙空間の黒の表現力が圧倒的です。こういう作品はUHD BDの恩恵を受けれそうですね。
「君の名は。」はBDと比較すると、解像感が上がり、意図して表現されているノイズを感じることができます。また色域が拡大したことにより、実際に表現したかっただろう色を感じ取ることができました。
一度BDでコンテンツを見てしまうと、お気に入りの作品はすべてUHD BDで買い揃えたくなりますね、それくらい圧倒的な綺麗さでした。
注意してほしいのはPS5には2モデルあり、UHD BDを再生できるのは通常版のみ。デジタルエディションではUHD BDを再生できない(ドライブ自体がない)のでUHD BDを再生する予定があるならば通常版を選択しておきましょう。
また発売直前に公開された情報ではDolby AtmosやDTS:Xに対応していないのではないか、という情報が公開されましたが、AV Watchによると対応機器を利用している場合は利用可能とのこと。筆者の環境ではDolby AtmosやDTS:Xは検証できず。
HDR 10+やDolby Visionに関しては検証でき、やはり対応していないことが確認できました。アップデートで対応すれば良いな、とは思いますが……。
ストリーミングサービス
執筆現在、提供されているストリーミングサービスは以下の通りです。
- Netflix
- Amazonプライムビデオ
- YouTube
- Apple TV
- DAZN
- hulu
- DMM.com
- U-NEXT
- twitch
- WWE
HDR、5.1chなど利用できることは確認できました。出力されているフレームレートは60Hz固定のようです。
また利用できる音楽ストリーミングサービスはSpotifyのみです。スマートフォンからPS5へ接続し、テレビで使うことはもちろん、音楽を聞きながらゲームをすることも可能です。再生しているコンテンツはPSボタンを押してミュージックの項目で再生停止、スキップ、戻る、プレイリストを変更するなど、引き続きSpotify向けに最適化は図られているようです。
アップコンバート
先程も少し触れましたが、引き続きBDを再生することができます。しかし普通のプレーヤーで再生するよりもPS5で再生するほうが綺麗です。
実はPlayStationにはPS3よりアップコンバート機能が備わっています。当時はDVDの映像をフルHD相当にアップコンバートする機能でしたが、コレが凄かった。PS3には当時最強性能を誇るCellプロセッサーによるパワーの暴力で、他社どころか自社のBDプレイヤーの性能をも凌駕するアップコンバートを実現していました。
このアップコンバート機能がPS4 Proでは4K対応のアップコンバートに進化。しかもBD再生中だけではなく、VODやHDコンテンツなどHDソースならば何でもアップコンバートという狂気の仕様になっていました。
このアップコンバート機能はPS5でもしっかり継承。アップコンバートについてSIEからは特にコメントは出ていませんが、ユーザによる検証だとPS4 Pro同等の性能は発揮しているようです。
余談ですが、検証に「AIR」が使われているのはPS3でアップコンバートを開発するときにDVD版AIRとBD版AIRを見て遜色ないよう開発していた背景からAIRを使っていると思います。
また、ライバルのXbox Series Xと比較しても圧倒的な差です。素人が見てもわかる差がついていることがわかります。
そしてSONYが販売する最上位BDプレイヤーと比較してもPS5のほうがもやっとせず解像感があることがわかります。アップコンバート目的ならPS5を購入するのがベストかな、と思います。
ゲームもでき、VODも楽しめる、そしてアップコンバートも最強。圧倒的コストパフォーマンス。コンテンツを満喫したい人はディスクが読み込める通常版のPS5を買っておけば問題ないと思います。
問題点
さて、使ってみて感じた問題点を挙げていきます。
ストレージ
PS5では本体内部に別売のストレージを装着することで、ストレージの容量を増やすことができます。しかし、現状ではソフトウェアで封じてあり、使うことはできません。
現在、レインボーシックスシージ、ASTRO’s PLAYROOM、デモンズソウル、フォートナイトの4本をインストールしている状態でこのような感じです。今後、よりストレージを消費するゲーム、DLCやアップデートで消費すると思います。特にグランツーリスモのようなモンスター級に消費するゲームは要注意です。
USB接続によるストレージ拡張はPS4のゲームのみに限られているので、PS5のゲームを移すこともできず。それなので、わずか825GBしかないストレージでゲームを入れては消し、を繰り替えず羽目になります。現状はPS4のゲームを余っていた外付けHDDにすべて移しPS5内蔵ストレージはPS5のゲームのみにして運用しています。PS5のゲームが潤ってきたら死活問題になりかねないので、早急に対応してほしい所。
DLNA非対応
ホームネットワーク内のコンテンツを簡単に再生できるDLNAに非対応です。PS4では発売から遅れて対応しましたが、PS5では対応・非対応のコメントもなし。自分で撮った写真や動画などを気軽に再生できて便利だったのですが、PS4 Proも併用する必要がありそうです。
HDR10+、Dolby Vision非対応
途中少し触れましたが、HDR10+とDolby Visionには非対応です。対応できないことはないはずなので、アップデートで対応か時期PS5 Proのようなモデルが登場し、そちらで対応するのでしょうか?今後の対応に期待したいところ。
総評
ゲームをやる、ディスクコンテンツを見るに置いて最強。しかし、VODはApple TV 4Kがに軍配が上がる。
ゲームは4K120pでコマ落ちせず、動きの激しいFPSを快適に遊べて、PS4とも互換性あり。文句なしでしょう。またディスクコンテンツに置いてはDVD、BDそしてUHD BDも対応。アップコンバートで過去のコンテンツも快適に視聴できます。
しかしBDは24Hz出力に自動的に変わるものの、VODに置いては常時60Hz出力。そのため映画などでは意図したフレームレートが再現できない場合があります。それらに置いてはApple TVがやはり最適化されている印象を受けます。とはいえ、そこまで拘ることはなければPS5でも十分快適に見ることができます。
非常に惜しいのは入手困難であるということ。生産数を上げるためにPS4 Proを生産終了し、生産数を上げるそうですが、果たしてどこまで需要に追いつけるやら……。1日も早くすべてのユーザに行き渡ることを願います。