有線イヤホンは、もうレトロの域?
海外で有線イヤホンがブームになっていると、米The Wall Street Journalが伝えました。
近年のイヤホン・ヘッドホン市場は、2016年の初代AirPods発売を皮切りに急激に拡大。有線からワイヤレス主流の時代へと移り、市場の主な売り上げをワイヤレスイヤホンが占めているのは、既知の事実です。そんな中で、特に海外では有線イヤホンが再び脚光を浴びているようです。
音質がいいから、紛失しにくいから、などの理由ではなく、単に「映える」から。有線イヤホンを音楽を聞くためのツールとしてではなく、ファッションアイテムとして利用しているのです。海外ユーザーのInstagramには、AppleのEarPodsを中心とした、有線イヤホンやヘッドホンを着用している姿が見られます。
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こうしたブームは熱し易く冷め易いとされているZ世代(1990年代中盤から2000年代終盤生まれ)でトレンドとなっているようです。The Wall Street Journalは、これらのブームが起こっている理由をいくつかあげています。
まず、「AirPodsが普及しすぎた」という点。
先述の通り、AirPodsの発売以降、急激にワイヤレスイヤホン市場は拡大。Appleのみに焦点をあてると、AirPodsのシェアは、世界1位をキープし続けています。
ちなみに筆者の住む長野の田舎でさえ、電車に乗っていると一両に少なくとも10人以上は「耳からうどん」が出ています。
記事によると流行に敏感なZ世代は、この事態を「クールではない」と評価したようです。
次に、価格面。最近でこそ安価なワイヤレスイヤホンも登場していますが、それでも有線イヤホンのコストパフォーマンスには勝てません。セブンイレブンでも2000円程度でApple純正のEarPodsが手軽に購入できますから、とてもお手頃です。また、充電も不要。どちらかといえば、紛失しづらくもあります。
また、こんな視点も。有線イヤホンには、「隣に寄らないで欲しい」という意思を示すものでもある点。ワイヤレスイヤホンを着用しているとあまり目立たないため、話しかけてもいいという認識が生まれます。しかし、有線イヤホンの場合は、存在が目立つため、「邪魔しないで欲しい雰囲気」を出すとのこと。自身の今の気持ちを示すためのツールでもある、ということのようです。
有線イヤホンは、時代の流れに合わせて、音質や機能性の向上が図られてきました。それに合わせて、ワイヤレスイヤホンの接続性や音質も向上し、有線イヤホンとほぼ遜色のない製品も多数見られます。そんな中での、この有線イヤホンブーム。果たして、このブームはいつまで続くのでしょうか。日本での流行にも注目したいところです。