1型センサーを搭載したことで大きな注目を集めたSHARPのAQUOS R6。スマホに1型センサーというだけでも強力なのですが、実はディスプレイも強力で、スマホ最強レベルの輝度。明るい大画面で撮影できるというわけ。
とはいえカメラセンサーは1型。スマホとしては凄まじくても所詮はコンデジサイズ。そこでフルサイズセンサーを搭載した「SIGMA fp L」のモニターとしてAQUOS R6を使うことにしました。
SIGMA fp Lの不満「画面が見にくい」
最近、筆者はSIGMA fp Lを購入しました。本機は6100万画素フルサイズセンサーを搭載しながら、本体のみで重量375g、電池とSD込でも427gで一見「コンデジか?」と言わせてしまう圧倒的な小型軽量が特徴。
しかし色んなものを削っています。メカシャッターはもちろんのこと、なんとボディ内手ブレ補正やEVFもなければ、液晶モニターのチルト機構もありません。大胆な割り切りによって、ポケットに入るような小型軽量筐体にフルサイズセンサーを収めきっているのです。
そんな本機の大きな不満のひとつが、液晶モニターです。チルト機構はなく固定式のため、正面以外からの角度だと見にくいのです。
また、液晶モニターの輝度自体もそれほど高いわけではないにも関わらず、EVFもないので、日中屋外では「角度変えられないし暗くて見えない」という二重苦となります。
そこでSIGMAが用意しているのが外付けのEVFモジュール「EVF-11」です。SIGMA fp Lは割り切った小型軽量ながら、周辺機器で柔軟に拡張する設計思想となっています。本体左側面に別売り(本体セットもあり)のEVFを着脱可能となっています。
ところがこのEVF、そこそこ本体のサイズと重量が増してしまうというのもありますし、近接センサーを備えておらず、近づいても離れてもEVFと液晶の切替が行われません。あくまで横側のスイッチにて手動でEVFと液晶を切り替えるのです。ちょっとだけ手間。まあ近接センサーの位置や反応がおかしくて鬱陶しい機種もあるので、それよりは手動切替のほうがマシですけどね。
そこで思いついたのが「スマホをモニターにすればいいじゃん」ということ。
最近のスマートフォンはHDR動画再生機能を強化する競争の渦中にあり、高輝度化がトレンド。その恩恵として、屋外での視認性も向上しているのです。これをモニターにしちゃえば最強ですよね。AQUOS R6はなんといっても競合を抑えてピーク輝度2000カンデラを誇る最強の国産有機ELを搭載していますから、断固これでキメていきます。
スマホとの接続方法を考える
SIGMA fp L、小型軽量化のためにWi-Fiすらも削っており、スマホとの連携もなし。完全に割り切った仕様です。
このためスマホを有線接続することにしました。ブログ「おれだけWindows」を参考に、microHDMI出力→UVC→スマホに繋ぎます。
Androidスマホ側ではFPViewerなどのアプリを入れればUVCを表示可能。Xperia PRO-Iはデフォルトで対応していますが、4K Xperiaは最高輝度が低く日中屋外での視認性がいまいちなので使いません。
自由雲台やホルダーを駆使して、スマホをSIGMA fp Lにマウントしていきます。
あとは適当な三脚を装着すれば完成です。
実戦投入
というわけで実際に使ってみます。
予想通り輝度はまあ十分。モニター側で特に何かタッチパネル操作できるわけではなく、あくまでモニターとしての利用。普通に使えます。実際に使っていると、ちょっと画質が良くなくて解像度がもう少し欲しいような気もしますが、まあ引き伸ばしてるのでこんなもんかなぁと納得しています。
正直「EVFはかさばって重くて嫌だなあ」との考えもあって踏み切った「スマホとSIGMA fp L 有線接続」ですが、残念ながらこれ、結構重いです。ホルダーにスマホをつけて、つなげて、ホットシューユニットをつけて、という手順もちょっとだるい。
ただスマホ最高輝度の大画面で確認しながらフルサイズの圧倒的な描写力を得られるのは快感、とても楽しいです。SIGMA fp Lの弱点を補えるという意味でもネタ的な意味でも非常に面白かったです。
総評
「やや高価だけどEVFをよく使う人は、EVFモジュールのほうがシンプルで良いかも?」というのが今回の実験での結論ではありますが、たまに使う分にはこういう手もあるということ。SIGMA fp/Lの軽さをオミットしかねない手ではあるものの、重量を厭わないのであれば十分使えるのも事実だと思います。