近年、にわかにAndroidタブレット市場が盛り上がり、OPPOやXiaomi、vivoといった中国企業が多くタブレットを導入していましたが、今年に入り、タブレット市場は衰退の一途をたどっているようです。
世界でのタブレット・Chromebook、またPCの市場規模の遷移について、Canalysが調査しています。
これまで、コロナウイルスによる教育方面や在宅コンテンツ・在宅勤務の需要増の恩恵を受け、需要は急増していたようです。
しかし、すでに一時的な需要の盛り上がりは落ち着きを見せ、また教育用タブレットは買い替え周期が長いため、タブレットの市場規模は4半期連続で減少しているとのこと。
各企業に焦点を当てると、34.8%のシェアを握るAppleは年間成長率マイナス14.7%で1210万台を出荷、Samsungはシェア20%で成長率マイナス13%と踏みとどまったものの、出荷台数は700万台と、シェアトップのAppleと大きな差が開いていることには変わらないようです。
また、Lenovoはマイナス25%で350万台を出荷。この3社で業界全体のおよそ7割を占めていますが、いずれも大きく落ち込んでおり、市場の衰退を分かりやすく示しています。
一方でシェア4位のAmazonは出荷台数330万台。台数自体はLenovoにはわずかにとどかないものの、示された企業の中では唯一年間成長率がプラス。また「その他」企業も6.8%の成長。vivoやHONOR、OPPOといった中国メーカーの参入が理由でしょうか。
2022年第2四半期 | 2021年第2四半期 | ||||
出荷台数(千台) | 市場シェア | 出荷台数(千台) | 市場シェア | 成長率 | |
Apple | 12,102 | 34.80% | 14,185 | 36.40% | -14.70% |
Samsung | 6,959 | 20.00% | 7,996 | 20.50% | -13.00% |
Lenovo | 3,511 | 10.10% | 4,688 | 12.00% | -25.10% |
Amazon | 3,313 | 9.50% | 3,118 | 8.00% | 6.30% |
Huawei | 1,707 | 4.90% | 2,305 | 5.90% | -25.90% |
その他 | 7,181 | 20.70% | 6,726 | 17.20% | 6.80% |
合計 | 34,773 | 100% | 39,018 | 100% | -10.90% |
なお、Chromebookではさらに衰退が著しく、示されたすべての企業が年間成長マイナス。全体ではマイナス57.4%となっています。
2022年第2四半期 | 2021年第2四半期 | ||||
出荷台数(千台) | 市場シェア | 出荷台数(千台) | 市場シェア | 成長率 | |
Acer | 1,345 | 26.10% | 1,878 | 15.50% | -28.30% |
Lenovo | 1,174 | 22.80% | 2,644 | 21.90% | -55.60% |
HP | 926 | 18.00% | 4,320 | 35.70% | -78.60% |
Dell | 858 | 16.70% | 1,112 | 9.20% | -22.80% |
ASUS | 415 | 8.10% | 991 | 8.20% | -58.10% |
その他 | 433 | 8.40% | 1142 | 9.40% | -62.10% |
合計 | 5,151 | 100% | 12,086 | 100% | -57.40% |
これについては、教育需要が急増していたのが解消したためであるとしており、特に米国の教育部門に依存していたHP(ヒューレット・パッカード)は出荷台数が79%減少しているとのこと。それでもパンデミック前より出荷台数は大幅増であるようで、ただちにChromebookという分野自体の存続を気にする必要はなさそうです。