XREALの新型ARグラス「XREAL Air 2」を購入しましました。
身につけることでレンズに仮想ディスプレイが表示され、大画面で作業したりコンテンツ視聴などが可能になります。
1ヶ月ほど使ってみたので、本記事でレビューします。
ARグラスとは
「ARグラスと言う単語はよく聞くけど、具体的にどんな事ができるの?」という人は多いかもしれません。
ARは「Augmented Reality」の略で日本語で言えば拡張現実。今自分の見ている景色に、重ねて情報やコンテンツを表示するメガネというイメージです。事実、XREAL Air 2を装着すると目の前に大画面ディスプレイが映ります。
ちなみに、同じくらい聞く「VR」というのは「Virtual Reality」の略で、日本語訳で仮想現実です。環境全体を仮想のものに置き換え、仮想の世界を現実のように体験する技術を示します。
購入した理由
XREAL Air 2を購入した理由は「出先で複数画面環境を構築して作業がしたい」です。
外出先でも快適に文章執筆がしたいのですが、わざわざかさばるモバイルモニターを持っていくのは面倒。XREAL Air 2であれば、ケーブル1本で手持ちのデバイスと繋げられます。いつも使う13インチMacBookの画面では小さいと感じることが度々あるため、大画面ディスプレイを手軽に持ち歩けるXREAL Air 2に魅力を感じました。
また、Galaxyの一部機種で使える「DeX」と併用することで、持ち物を極限まで減らすこともできます。キーボードとマウスが別途必要になりますが、これであればボディバックでギリギリ運用できる気がします。
外観
XREAL Air 2本体。ぱっと見は「大きめのサングラス」といった感じで、内側にディスプレイがあるとは思えません。
裏側にいくとOLEDディスプレイが見えます。
重さは約72g。前作に比べてツルの先端が柔軟な素材になったり、ノーズパッドが改良されたようで、装着時の違和感は少ないです。快適とまでは行きませんが、1〜2時間であればストレスなく使えます。
ノーズパッドは装着済みのものを合わせて3種類。他には専用ケース、ケーブル、遮光のためのライトシールド、クリーニングクロスなどが同梱されていました。
実際に使ってみる
使い方は難しくありません。付属のType-CケーブルでXREAL Air 2とデバイスを繋げれば自動でディスプレイに投影されます。XREAL Air 2は接続したデバイスから電源供給を行うので、外部バッテリーを使用する必要はありません。
Type-C化したiPhone 15 Proとの相性はよく、すぐに大画面で動画視聴できました。
撮影するのが非常に難しいですが、カメラでディスプレイ越しに見るとこんな感じ。ディスプレイの解像度がかなり高く、位置を調整すれば「くっきりはっきり」視認できます。前モデルですでにキレイでしたが、XREAL Air 2ではさらに明るくなっている気が。
体感としては、30インチ程度のモニターが目の前に写っている状態。少し先に表示されるので「目の前いっぱいの大迫力!」というわけではありません。普段の景色にディスプレイが透過されているだけなので、没入感はそれほどでもないです。重視する人はVRゴーグル「Meta Quest3」などを選びましょう。
「Nebula for Mac」というソフトを入れることで、MacBookのモニター以外に仮想モニターを作り出せます。仮想モニターは1〜3枚まで出せて、サイズや距離の調整が可能。ディスプレイ表示の固定もできるので「常にディスプレイが追ってきて煩わしい」というのが無くなります。
XREAL Air 2でデュアルモニターを構築しつつ本記事を執筆しましたが、思ったより快適に進行できました。当初は文字が小さくて視認性が悪いか?と思いましたが、サイズ変更で対処。リアルのデュアルモニター環境と似た感覚で扱えるので、30分もすれば慣れます。
トリプルモニターだと視点移動が多くて大変なので、デュアルモニターが現実なところでしょう。正直言えば、モバイルモニターを持ち運ぶより合理的な気がします。ディスプレイの視認性は良いですし、バッテリーの心配がいりません。
音は耳元のスピーカーから聴こえます。前モデルでは音質が残念でしたので、別途完全無線イヤホンを使用していましたが、XREAL Air 2では特にいりません。ただ、近くに寄ると音漏れしているのが分かるので、シーンに合わせた対応が必要です。
筆者はGalaxy Z Fold 4を使用していましたが、XREAL Air 2とつなげることでDeXが立ち上がり、使用可能。DeXだとPCライクなUIになるので、マウスとキーボードがあれば普段作業する環境に近づけます。
気になる点
使っていて気になったのは「顔を少しでも動かすと表示もブレる」ということ。正面を向いてしっかり装着しているときは、表示が粗くなることはありません。ただ、ずっと同じ姿勢というのは無理で、どうしても動いてしまいますが、その度に空間ディスプレイの表示がブレるのはいただけません。
サングラスという製品の特性上、完璧にフィットさせるのは難しいのでしょうがない問題だと思います。ノーズパッドの交換や詰め物を工夫してフィット感を上げることはできますが、それでも解決には至りませんでした。
総評
リアルなディスプレイとは違った体験ができる面白いデバイスです。場所を問わずに複数モニター環境が構築できるのは非常に魅力的。前モデルと比べて軽量化・高音質化などが図られたことにより、より実用できるデバイスに昇華したと思います。
ただ、リアルなディスプレイを手放せるかと言われればそんなことはなく、まだまだ改善の余地ありです。一番の問題は「取り回し」でしょう。XREAL Air 2を装着すること自体面倒ですし、1〜2時間もすれば疲労感が出てきます。
装着した際の見た目は「サングラスっぽいものを身に着けた怪しい人」止まり。筆者にはカフェでXREAL Air 2で作業する勇気はありません。
色々改善の余地ありな製品ですが、触っていて非常に心躍るのは確かです。持ち運びできる大型モニターというイメージで買いましたが、その価値はあったと思います。興味あればチェックしてみてください。