スマートフォンのバッテリーによる火災事故が後を絶たない一方、まだまだユーザーの意識が足りていないことに危機感を示したカナダ・モントリオールの消防士および緊急当局は、バッテリーの危険性やスマホを安全に使用するためのチェックポイントについて情報を発信しました。PhoneArenaが伝えています。
スマートフォンユーザーに対して、特に注意してほしいとしているのが「就寝中の充電」。
翌日に備えて夜間は枕元等で充電しているという人も多いかと思いますが、この状況はやはりリチウムイオンバッテリーが発火する可能性が高く、また発見が遅れることから、極めて危険としています。
リチウムイオンバッテリーの燃焼の強さは、バーナーやローマンキャンドル(小型の打上花火)にも匹敵するレベルとのこと。決して優しい火力ではなく、消火にも相応の時間がかかります。
起きているときならまだしも、就寝中に激しく発火してしまった場合には、消火が間に合わないほど火の手が広がってしまったり、発生した有毒ガスを気付かずに吸い込んでしまったりと、大事に発展してしまいかねません。
昨今は、ものの数十分で大方充電が完了するような「急速充電」に対応するスマートフォンも増えてきています。火災のリスクを冒してまで就寝中に充電するよりは、朝起きてから外出までの時間で充電した方が、安全かつ合理的と言えそうです。ちょっと意外ですが、確かに考え方としてはそうですね。
同誌によると、スマートフォンを発火させることなく安全に使用するためには、上述した「就寝中の充電を避けること」以外にも以下4点のポイントがあるとのこと。
- 適切な充電器を使用し、安価な模造品に頼らない
- 古いバッテリーは新しいものに交換する
- 携帯電話を硬い場所に置いて充電する
- 作動する煙探知機を設置する
「純正の充電器を使う」「硬い場所に置いて充電する」等、わかってはいるけれどなかなか実践できていないというものもあるのではないでしょうか。特に充電器は、最近のスマートフォンはコストカットのためにそもそも充電器がついていなかったり、ついていたとしてもスペック・サイズ的に使いずらかったりと、なんだかんだでサードパーティ製の互換充電器を採用してしまうケースも多いかと思います。
もちろん、中にはしっかりと各種認証を取得している製品もあるので一概には言えませんが、安価なものには少なからず危険性が潜んでいることを意識したいところです。
またバッテリーは消耗品であるため、使えば使うほど劣化し、それによって発火する危険性も高まります。多くのスマートフォンは自主的なバッテリー交換が推奨されていないので、2~3年程度フルで使ったら業者にバッテリー交換を依頼したり、状況に応じて新しい端末に買い替えたりといったことも検討してみてください。
iPhoneでは現行の16シリーズより、バッテリーの固定方式に新技術を採用し、従来と比べて取り外しが簡単になりました。さらにこの動きは次期iPhone17シリーズでも継続されると噂されている状況。
交換は自己責任とはなってしまうものの、今後他メーカーでも同じような取り組みが進んでくれば、スマホ交換周期の長期化により環境負荷低減につながることはもちろん、バッテリー劣化による火災の発生件数も減少してくるかもしれません。