国内正規代理店より、タブレット型PC「ONEXPLAYER X1」をお借りしたのでレビューします。
本機は約11型の大型サイズの液晶タブレットを搭載したタブレットPCです。UMPCの系譜として考えるとかなり大きな画面を搭載しますが、ラップトップの主流と比べるとまだまだ小型。絶妙なサイズ感といえるかもしれません。タブレットとしても利用できます。
タブレット789g、コントローラー204g、あわせて993g。今回はタブレットとスタンドカバーのみを使いました。
付属の背面カバーをつけることでスタンドになります。本機はパワフルな構成と薄い金属筐体のためヘビーに使うと発熱しますが、その干渉としても役立ってくれると思います。
携帯ゲーミングPCにはさまざまな種類があります。性能が画面がどうだ、パッドやジョイスティックの感触がどうだ、キーボードがどうだといったもの。
非常に楽しいジャンルであることには間違いありませんが、こだわりの強い人はこう考えてしまうはずです。「キーボードは俺が普段使ってる〇〇(HHKBや自作キーボード)を使いたい」「本体にパッドはいらない、なぜなら△△(キーマウや好みのゲームパッド)を使うからだ」という人もいるはずです。
そんな人にも答えてくれる、ひとつの選択肢が「ONEXPLAYER X1」だと思います。
キーパッドは着脱可能。そして何より大画面。ゲームをするにも作業をするにもでっかい画面、それが本質。本機は11型なので大事なところをクリアしています。
さらに性能。本機はIntel Core Ultraを搭載するので、クリエイティブ用途や3Dゲームのプレイも従来のUMPC系よりも快適に可能となっています。
高性能、大画面。あとはお好きな組み合わせでどうぞ。それができるのがONEXPLAYER X1の最大の良さだと思います。
「えーそれってSurfaceで良いのでは?」ってのもわかるのですが、Surfaceは画面が大きすぎる、画面サイズ控えめのSurface Goは性能が足りない、というところで、結構絶妙だったりするのですよね。しかも電池容量ではSurface Proよりも大きく上回っていますから、電池駆動時間・ゲームプレイ時間ではONEXPLAYER X1の方が優れているといえます。
最大TDP28W、OneXConsoleを最新版にアップデートした上で電源接続中に確認すると最大TDP35Wで駆動するようでした。基本的に以下は28Wで計測。
ONEXPLAYER X1 Core Ultra 7 155H |
ONEXPLAYER2 Ryzen 7 6800U |
AYANEO AIR 1S Ryzen 7 7840U |
AYANEO Air STANDARD Ryzen 5 5560U |
ROG Ally Ryzen Z1 Extreme |
CHUWI MiniBook X Celeron N5100 |
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3DMark TimeSpy | 4035 | 2699 | 2813 | 952 | 2944 | 346 |
3DMark Wildlife | 19152 | 14956 | 13662 | 4829 | 14118 | 2390 |
3DMark Solar Bay |
12624 | 未計測 | 10043 | 未計測 | 未計測 | 未計測 |
VRMark v1.3 Orange Room |
3564 平均77.68fps |
未計測 | 3237 平均70.56fps |
1258 平均27.42fps |
3273 平均71.35fps |
489 平均10.66fps |
VRMark v1.3 Cyan Room |
276 平均60.29fps |
未計測 | 2556 平均55.72fps |
826 平均18.00fps |
2560 平均55.80fps |
328 平均7.15fps |
VRMark v1.3 Blue Room |
623 平均13.59fps |
未計測 | 621 平均13.53fps |
201 平均4.37fps |
714 平均15.56fps |
70 平均1.52fps |
PCMark10 | 6404 | 5219 | 4946 | 4757 | 5957 | 2371 |
Cinebench R23 マルチコア |
11251 | 10948 | 10279 | 4491 | 12705 | 1854 |
ドラクエX 最高/全画面/FHD |
17399 | 9582 | 6725 快適 |
5876 | 11891 | 3272 |
FF XV ver1.3 標準/全画面/FHD |
3495 普通 |
3531 普通 |
3525 普通 |
1283 動作困難 |
3542 普通 |
544 動作困難 |
原神はインストール直後の画質設定で最大FPS 60fpsに変更時には、安定して60fps近くを推移。全画質設定を最大値まで上げたうえでフォンテーヌや璃月港等の明らかにオブジェクトが多い場所で飛行すると、若干のフレームレートの低下を感じる場面もありました。画質を中設定などカスタマイズすることでこの低下を抑制できますので、画質設定を煮詰めましょう。長時間プレイも現実的なので排熱も上手くいっています。
液晶パネルの解像度は2560×1600となっています。基本的にゲーム側の解像度を変更すれば済みますが、一部のタイトルはOS側のモニター設定を変更する必要があります。その一例が原神です。OS解像度でしかフルスクリーンが働かないため。作業用には素晴らしいですが、ゲーム用にはちょっと過剰かもしれません。とはいえ、低いパネル解像度を高くすることは出来ませんが、元から高い分にはユーザーの工夫で潰しが効くだけいいでしょう。
電池持続時間は原神プレイ時、2時間と少々。これは画質設定や、接続する外部デバイスの数など様々な要因に左右されますので、あくまで参考までに。
個人的には、携帯ゲーミングPCのコントローラーって、あんまり使わないんですよね。電車内とかで使うとなると中途半端な時間で切り上げることになったりしがち。そもそも「コントローラーよりキーマウ」「コントローラー使うならお気に入りのを」とか考えてしまうので、なおさら使いません。
本機は携帯ゲーミングPCのコントローラーというデッドウェイトを取り除いて、タブレットPCとして使うこともできますし、好きなコントローラーを接続して利用できますので、本当に素晴らしいと思います。「こだわりがあるから、携帯ゲーミングPCの波、乗れないな」と考えている人には、ぜひ試してみてほしいですね。
個人的には、本機をメイン機にするかどうか考えました。しかし、断念した理由は、キーボードカバーだと膝の上では安定しないことです。これはSurfaceシリーズでも同じ。基本的には机上で使うことになります。取材先によってはパイプ椅子ぐらいしか用意されていない場合があり、そうした時には対応できない可能性があります。クラムシェルPCの強みはそこですね。
こんな感じのクセの強いPCですが、クセの強いこだわりのある人ほどより合理的にカスタマイズできる、3Dゲームもプレイ可能な超高性能タブレットPCとして運用可能なはずです。現在はAMD Ryzen 7 8840U搭載版に置き換わっているようです。ぜひ検討してみて下さい。
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