アップルは、XRデバイス「Apple Vision Pro」のvisionOSが、ブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI)入力に対応することを発表しました。同機能は2025年後半に実装予定です。
BCIは、ブレインという名前の通り、利用者の脳の神経細胞が発する電気信号を検出して、デバイスの操作を行うのに使用する機器。
SF映画みたいな話ですが、徐々に実用化の動きが進んでます。
「Apple Vision Pro」は、まずSynchron社が開発したBCIの「Stentrode」に対応する予定。同製品は、頸静脈から人体に挿入する仕組みで、外科的手術は無しで使用できるのが特徴とのこと。
現時点では、BCIでどんな操作が可能になるかは明らかになっていませんが、アップルは「スイッチコントロールの一部」に対応すると説明しています。
Synchron社は2024年に「Apple Vision Pro」を使用するデモを実施。内容は「Stentrode」を装着した、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者が、クリック(ピンチ)操作をBCIによる信号検出で行うというものでした。
また同社は2025年、NVIDAと連携してスマート家電を「Apple Vision Pro」で操作するデモも行いました。こういったシステムに近い動作が、アップル側の公式機能に実装する可能性があります。
XR系のデバイスは、操作にコントローラー(あるいはハンドトラッキング)が必要で、それらを使用できない人にとっては利用ハードルが高いのが課題のひとつ。この「壁」を解決して、これまでとは異なる利用層にもリーチしたいというアップルの考えが垣間見えますね。