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10匹のロボット犬が違法駐車を自律検知、ACE Robotics

 ロボット犬10匹が街を自律巡回する時代?

 SenseTime(商湯科技)共同創業者の王暁剛氏が率いるロボティクス企業(大暁機械人)が2025年12月18日、エンボディドAI(身体性を持つAI)の中核技術3つを発表しました。着脱式の汎用頭脳「エンボディド・スーパー・ブレイン・モジュール A1」、同社が「初のオープンソースかつ商用利用可能」とうたう世界モデル「Kairos 3.0」、そして人間中心の「ACEエンボディド開発パラダイム」の3つです。

 A1は、ビジョン(視覚)中心のエンドツーエンドVLAモデルを強みとし、事前に高精度マップを取得しなくても複雑で未知の環境に適応できる仕組みだといいます。クラウド側のモデル基盤と連携し、自然言語の指示と画像の意味をリアルタイムに解析して「前進50センチ」「障害物を回避」などの中間指令を生成、ロボット側が実行する流れなのだとか。宇樹科技(Unitree Robotics)や智元機器人(AgiBot)、雲深処科技(DEEP Robotics)といったロボット本体への適用にも言及しており、自律巡回・追従・障害物回避などのタスクを狙うといいます。

 ちなみに「VLAモデル」とは、Vision-Language-Action(視覚・言語・行動)の頭文字をとったもので、カメラの映像と人間の言葉を同時に理解し、ロボットの動作まで一気に出力するAIモデルのこと。ざっくり言えば「目で見て、言葉を聞いて、手足を動かす」を1つのAIでまとめてこなす仕組みです。

 世界モデル「Kairos 3.0」は、物理法則や人間行動、実機動作といった要素を統合し、ロボットが「丸暗記」ではなく因果や力学の理解にもとづいて動けるようにする「基盤の脳」にあたります。たとえば「ドアを開ける」を一度学べば、木製ドアでもガラス扉でも状況に応じて対処できるとのこと。発表会では、タスクをテキスト入力しカメラ視点とロボット形態を選ぶだけで一人称視点のシミュレーション映像を生成するデモも披露し、実機データへの依存を下げられるとしています。

 デモでは、形状の異なる10匹のロボット犬がリモコンなしで自律的に動く様子が話題を集めたそうです。違法駐車車両を検知してデータを送信したり、ドローン飛行禁止区域で信号を検知・確認したりと、各ロボットがそれぞれの作業に取り組んだと伝えています。赤信号の認識や自律ナビゲーション、障害物回避にも対応するといいます。上海市徐匯区の公安当局との共同計画を協議しており、都市レベルの実証も視野に入れているとのことです。

 3つ目のACEエンボディド開発パラダイムは、ロボットのハードウェア仕様ではなく「人間と物理世界の相互作用」を起点に据える考え方だそうです。クロスビューのマルチモーダルデータ収集(第一・第三視点映像、力触覚、運動軌跡、音声など)を統合し、時系列整合や物理的な補正を経て、学習に使える動的シーンデータへ落とし込むと同社は説明しています。データ面では「10を超える視点・8つのモダリティ」にわたる多角的な取得を進めており、十万時間から千万時間規模の蓄積を目標としているとのことです。

 Kairos 3.0は12月18日にオープンソースとして公開し、製品プラットフォーム経由でAPIも開放する方針だといいます。製品プラットフォームは「テキスト生成世界」「画像駆動世界」「軌跡生成世界」などを統合し、11大分類・54細分類・328タグ、115の垂直業界シーンをカバーするとのこと。国産チップへの適合については、MetaX(沐曦)、壁仞科技(BIRENTECH)、曙光(Sugon)など複数ベンダーの製品との適合を完了したと公式に説明しています。

 商用展開のロードマップとしては、短期(1〜2年)で四足ロボットを都市行政・交通安全の現場へ投入し、中期(2〜3年)で車輪型の双腕ロボットに拡張して無人物流倉庫を主なターゲットに、長期的には二足歩行の人型ロボットで家庭環境も視野に入れるとしています。

 資金面では、ACE Roboticsが2026年2月(TechNodeによれば2月10日)にAnt Group主導のエンジェルラウンドを完了しています。啓明創投(Qiming Venture Partners)やGVC、弘毅投資(Hony Capital)、聯想資本(Lenovo Capital)、上海交通大学系の蓮花資本(Lotus Capital)などが参加し、調達額は非公開だといいます。資金はモデル開発やデータ収集に加え、エネルギー・交通・観光分野などでの商用展開に充てる方針だそうです。

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