
筆者が現在試しているおそらく実用的なAIの活用方法について紹介します。
皆さん、日記はつけていますか?刻一刻とすぎる日々について、私は頭の中に思い出を閉じ込めたままにするのがもったいないと思うようになってきました。
この経緯をお話しすると、1月までさかのぼります。もともと旅行の際にも写真を積極的にとらず、目の前で起きていることを堪能するスタンスではありました。
しかし、知らない東京の土地で一人暮らしを始めて、人生初の一人旅をする、と計画した段階で「今回は旅の記録を付けよう」と思い至りました。こう思ったのには当然理由があります。非常に単純、旅の思い出を共有できる人がいないからですね。
家族や友人との旅行なら、自分以外が写真をしっかり撮っており、のちに「こういうことがあったね」と話す機会がありました。しかし自分一人なら?今までの旅も、自分で思い出そうとして思い出せるか?
そうやって考えるうち、今回の旅では「写真をたくさん撮る」だけでなく、写真では読み取れない「その時に何を感じ何を思ったのか」をデータ化すること、これをとにかく遂行しようと考えました。
ただ、私は怠惰です。3日坊主とは大親友、手記日記などつけることができるはずがありません。そこで当時話題になりつつあった自律的にAIが動くサービスであるOpenClawを使い、日記作成システムを構築しました。
さてここからが本題です。以下のものを使って「適当に声でしゃべくりまわすだけでAIが日記を書いてくれる」という環境を作り上げました。
筆者が現状使っているものはこちら。
- PLAUD NotePinをはじめとしたボイスレコーダー(スマホでも可)
- ある程度の性能のPC
- OpenClaw (必ずしもOpenClawである必要はない、Claude Code+自作ソフト等でもOK?)
- Obsidian
仕組みはシンプルです。PLAUD NotePinで録音した音声は、PLAUDで利用できる300分無料の文字起こしを使わず、クラウド同期を介してPCに保存されます。保存された音声をもとに、Whisperなどの無料の文字起こしエンジンを用いて読み上げた内容を文章化。それをもとに、毎日4時にAIが前日分の日記を書きあげる……。という流れ。
上でも書いてある通り、PLAUDは単に録音を行ってクラウドにアップロードするだけの存在なので、スマホの録音でも、あるいはDiscordのVCでも実現可能でしょう。PLAUD自体には月300分の無料文字起こしが付属していますが、それは利用していません。基本的にローカルに閉じる構成になっています。

生成された日記の一例が以下。1日の終わりに2-3分だけ出来事について話せば、あとはもう出来上がり。ペンよりもキーボードよりも素早いので、三日坊主でも大丈夫。

ドアを開けっぱなし(鍵ではなく)をやらかした日の日記(一部) 酸いも甘いも残してこそ日記の価値がある
旅行で写真を撮るかの如く、感じたことを話して放り込むVlog的な使い方も想定していたため、複数ファイルの処理も自動的に行ってくれます。
現状の問題点をいくつかご紹介。まずOpenClaw駆動という不安定さによって手がかかる子になるという問題。OpenClawはなんでもできてしまうし、駆動ルールはプログラムではなくシステムプロンプトで定義されているようなものなので、ところどころやらかします。
それが「いつの間にか日記の書き手が変わっている」ということ。これは同期をミスるかさぼるなどで文字起こしが生成されなかったときに起きた事態で、私の日記なはずが、「OpenClawの人格として」日記が作成されることがあります。ホラーですね。
以下の日記はまさにそれで、私がOpenClawのAIに実装指示でガン詰めしたときのもの。反省してますね。怖いです。

AIモデルをケチるようになり、Home Assistantのダッシュボードひとつ作るのにも大変な苦労を強いられた日に、AIがこぼした感想。
次に、私以外私じゃないことによる情報伝達のストレス。これは将来何とか改善したいと思っていますが、人名や職場での人間関係、地味に困るニックネームなど、自分で日記を書くならわかりきっている情報が、どうしても抜け落ちてしまうというところです。
現状これはしゃべり方でカバーしています。人名を言うときは一度電話口でのコールのように「Mountainの山にBookの本で山本さん」みたいに。これで、AIが文字起こしから書き出す際によしなに対処してくれるというワケ。
そしてここはやりようがあると思っています。Obsidianに今までの日記がありますし、それをもとに私の身の回りに関する事象をDBにでもすればよいのです。構想段階ですが、もしかして:○○のようにAIに提示していくことで、より私の身辺を理解したうえで日記を書いてくれるようになることを期待しています。
そして最後に、PLAUDの使い勝手の悪さ。当初「AIボイスレコーダーと言えばPLAUDだな」と思い導入したのですが、ふたを開けてみればスマホアプリを起動するか充電しないと本体からのクラウド同期や文字起こしが行えないというという状況。つまりしゃべった後にスマホを手に取って同期が終わるのを見届ける、というプロセスが必要になるわけです。ここを忘れてしまうことがたびたびあります。
なんだかんだPLAUD NotePinは形状が気に入っているため、ほかのAIボイスレコーダーに乗り換える気はありませんが、ここはPLAUDにこだわる必要がないポイントであることは付け加えておきます。
最後に、もう一つ使い方をお見せして終わりにしましょう。私としてはこちらのほうを楽しみにしているまであるのですが、1週間の日記、そしてOpenClawに話しかけたこと、あとはスマートホームの機器データや自販機購入本数などのデータを投げ込み、「自分の1週間を振り返るレポート」を出させています。

毎週月曜日の朝に届く「週刊りょうマガジン」と命名している週報。編集長を気取ったAIが、私の1週間についてコミカルにツッコミを入れつつ分析する
自分の不出来な行動を若干弄らせつつコミカルに纏めてくれるので、読んでて非常に楽しいものになります。おすすめです。
AIがたった3年でなんでもできるようになった現在、人間が勝てるのは器用な体があることと、本物の感情を積み重ねていけることだけかもしれません。これまでなら忘れてしまっていた日頃の些細なアレコレを積み上げて向き直ることによって、AIを超えられる強力な価値になるかもしれない、そう思っています。皆さんも試してみてはいかが?






























