弊誌はアフィリエイト広告を利用しています。

Apple Music、AI生成コンテンツの開示タグ「Transparency Tags」を導入

 AI楽曲かどうかはレーベルの自己申告制。

 Appleが、Apple Musicへ配信する楽曲やアートワークなどにAI(人工知能)を使った場合、その旨を配信時のメタデータで開示するタグ「Transparency Tags」を導入しました。TechCrunchが伝えています。

 対象となるカテゴリは4つ。アルバムのアートワーク、サウンドレコーディング(トラック)、作詞や作曲などのコンポジション、そしてミュージックビデオです。AIがコンテンツの「実質的な部分」を生成した場合にタグで開示する想定で、1つのコンテンツに複数のタグを同時に付けることもできるとのことです。

 「メタデータ」とは、楽曲そのものではなく、楽曲に添付される「裏方の情報」のこと。アーティスト名やジャンル、発売日といったデータが該当します。要するに、曲の「プロフィール欄」のようなもので、今回はそこに「AI使用の有無」という項目が加わった形です。

 ただし、この仕組みはレーベルやディストリビューター(音楽配信代行業者)による自己申告制です。何をもって「AIが生成したコンテンツ」とみなすかの判断も各パートナーに委ねています。Appleは、適切なタグ付けが業界のAIポリシー策定に必要なデータやツールにつながる第一歩であり、配信側が積極的に報告すべきだという趣旨を説明しているそうです。

 現時点ではタグの付与は任意で、仕様上はタグを付けなかった場合「AIの利用なし」として扱われるとのこと。ただし将来的には、新規配信コンテンツへのタグ付与を必須化する方針だといいます。具体的な時期についてAppleは明らかにしていません。更新された仕様は「Apple Music Specification(配信パッケージ仕様)」として公開済みです。

 一方、こうした自己申告型のアプローチには実効性を疑う声もあります。フランスの音楽配信サービスDeezerは、アップロード側の申告に頼らない独自のAI検出基盤を構築しました。Deezerの発表によると、2026年1月時点で1日平均約6万曲の完全AI生成トラックが届いており、2025年だけで1340万曲超を検出・タグ付けしたのだとか。2025年は月によって、完全AI生成トラックのストリーム再生のうち最大85%が不正だったこともあったそうです。

 AI生成コンテンツが音楽配信プラットフォームに増え続ける中、Appleが透明性の確保に向けて一歩を踏み出した格好です。とはいえ、悪意のあるアップロード者がタグを正直に申告するとは限らず、自己申告制の限界も見えています。Appleが今後どのような検証手段や運用ルールを整えていくのか、業界の対応とあわせて気になるところです。

詳しく読む
すまほん!!を購読しませんか?

Twitterでも最新更新を配信・通知しています

フォローする 再度表示しない