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SVG特化のAIモデル「Arrow 1.0」公開

 AIベクターデザイン企業のQuiverAIが、SVG(スケーラブル・ベクター・グラフィックス)生成に特化したAIモデル「Arrow 1.0」のパブリックベータを公開しました。あわせて、米大手ベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitz(a16z)が主導する830万ドル(8.3Mドル)のシード資金調達も発表しています。

 そもそもSVGとは何でしょうか。SVGはScalable Vector Graphicsの略で、画像を「点と線の数式」で表現するファイル形式です。スマートフォンで見かけるJPEGやPNGといった一般的な画像は、小さな色の点(ピクセル)の集まりで絵を描いているため、拡大するとぼやけてしまいます。

 一方SVGは「ここからここまで線を引く」「この座標に円を描く」といった命令の集まりなので、どれだけ拡大・縮小しても画質が劣化しません。中身はXMLベースのテキストデータであるため、コードエディタで直接編集したり、プログラムから動的に生成・加工したりできるのも特徴です。Webサイトのロゴやアイコン、地図、グラフなどに広く使われています。Arrow 1.0が注目される理由も、このSVGを「コードとして」直接生成できる点にあります。

 Arrow 1.0は、テキストの指示や参照画像からSVGコードを直接出力するマルチモーダルAIモデルです。開発者向けAPIでは「Text to SVG」と「Image to SVG」を用意しており、1回のリクエストで最大16個のSVGを同時に生成できます。ストリーミング(SSE)にも対応しており、生成結果を逐次受け取れる仕組みだそうです。

 公開情報ベースの主なスペックは以下の通りです。

項目 内容
モデル名 Arrow 1.0(API上のモデル識別子は arrow-preview
主な入力 テキスト(prompt)、画像(例:URL指定)
主な出力 SVGコード(image/svg+xml
最大同時生成数 最大16(n パラメータ)
ストリーミング 対応(stream=trueでSSE)
Text to SVG API POST /v1/svgs/generations
Image to SVG API POST /v1/svgs/vectorizationsauto_crop / target_size などのオプションあり)

 開発を率いるのは、a16zの発表ではJoan Rodríguez(研究・論文ではJuan A. Rodriguez表記もあります)氏です。同氏はオープンソースのSVG基盤モデル「StarVector」を開発した人物で、GitHubで数千のスターを獲得するなど研究コミュニティから高い評価を得てきました。SVGコードと実際の描画結果の差を学習に反映する独自手法「RLRF(Reinforcement Learning from Rendering Feedback)」も同氏が提案しました。a16zは、チームが新たなフラッグシップSVGモデルをリリースし、よりクリーンな構造や忠実な幾何表現を重視した出力を狙っていると紹介しています。

 「RLRF」とは、ざっくり言うとAIに「自分の描いた絵を見て反省させる」学習方法です。AIが生成したSVGを実際にブラウザで描画し、お手本とのズレをフィードバックして精度を高めていきます。

 想定する用途はロゴ、UIアイコン、図解やイラストなど、再編集を前提としたベクター素材の制作です。一般的な画像生成AIがピクセルベースのラスター画像を出力するのに対し、Arrow 1.0は編集・拡大縮小が自由なSVGコードそのものを出力するため、デザイン実務に直結する利点があります。自然言語での編集やリファインにも対応しており、将来的にはフォントやアニメーションなどにも展開していく考えだそうです。

 料金プランは以下の4段階です。

プラン 月額 週間SVG生成上限
Free 無料 20個
Basic 20ドル 100個
Pro 40ドル 250個
Enterprise 要問い合わせ カスタム

 Enterpriseプランでは専用モデルの学習やオンプレミス導入にも対応するとのことです。各プランには週あたりのSVG生成上限があります。

 a16zは今回の出資にあたり、SVGを「ビジュアルコード」として扱い、構造まで含めて生成できる点を評価しています。エージェントがSVGマークアップを出力する時代には、CursorやGemini AI Studioのような環境からQuiverを呼び出し、編集・アニメーションに耐えるSVGを生成する使い方も想定しているとのことです。

 Arrow 1.0のパブリックベータはQuiverAIの公式サイトから利用できます。開発者向けAPIも公開中で、SVG生成機能を自身のアプリケーションに組み込めます。

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