5インチ級、FullHD解像度のファブレット端末ばかりで、良くも悪くも横並びのドコモ春モデル。
その中で最も個性を出そうと頑張っていたのは、意外にもパナソニック製の最新機種「ELUGA(エルーガ) X P-02E」ではないでしょうか。
各メーカーがオンスクリーンキーを採用する中、バックキー・ホームキー・メニューキーをあえてハードキーで前面に配置しています。メニューボタンが上部や押しづらい位置に移動する中、使い勝手という観点においては意味のあることだと思います。
片手操作にもこだわっており、UIにも随所に工夫がみられます。まずロック画面。どこを起点にしても、フリックでロックを解除できます。GALAXYシリーズのようなアイデアです。画面の上の方に指が届かなくても、片手で容易にロックを解除できます。
さらにELUGA Xでは一歩進み、ショートカットも配置。下フリックでロック解除、上フリックで電話やカメラを起動可能。正直どのメーカーのロック画面より使いやすいと感じます。
扇形のアプリケーションドロワーも、画面下部のみでアプリ起動ができるので、片手操作のしやすさに貢献しています。
並び替えなどのカスタマイズも可能です。
パナソニックらしい標語”Fit your style”を実現するための技巧の数々が面白いです。何気にホーム画面もGセンサーに追随、横向きになります。
カメラのUIも片手操作が可能なUIに。ギャラリーで画像をロングタップすると、インテントや削除がフリックで選択できる、フィーチャーフォンからの伝統・ピクチャジャンプも健在です。しかも画像送信前にリサイズも可能なのは最高ですね。
これまでパナソニックといえば、スマホシフトに乗り遅れた地雷メーカーの代名詞でした。
しかしガラスマ「ELUGA V」やグローバルモデル「ELUGA Power」で並の性能に追いつき、地雷というよりも単純に地味なメーカーに。
パナソニック家電ならではの「エコナビ」機能を搭載し、今回は春モデルで唯一、おくだけ充電と急速充電に両対応。Vの日本機能全部入りと、Powerのバッテリー性能をまとめて一機種に集約しつつ、堅実に「パナソニックらしさ」を強調してきました。非常によいモデルに仕上がってきたと思います。
懸念があるとすれば、まだまだ不安定という点です。不具合もいくつか報告されており、自分の触った個体は、他メーカーの機種に比べてやや熱くなりやすい傾向にあると感じました。
またメーカーのパンフレットにおいては珍しく、AnTuTuベンチマーク2万超えという豪快な謳い文句がなされているのは好感ですが、実際に3回図ってみると、1度目は端末が強制終了、2度目・3度目はベンチマーク1万を超えられませんでした。
試作機なので仕方ないとは思うので、製品版を一度確認してから買うと後悔がないと思います。発売が2月や3月ならあまり不安ではないのですが、このP-02Eの発売は1月30日。すぐに発売なのです。
どこまで追い込んで不具合や不安定さを取り除けるかが、2013年のELUGAブランドの命運をわける第一歩となるのではないでしょうか。期待しています。