通信事業の監督官庁である総務省は、スマートフォンや固定回線の契約について、クーリングオフ制度を導入する方針を固めました。先月、総務省が導入検討に入ったことを日本経済新聞が伝えており、本日付の産経報道がこれを追認する形となります。
クーリングオフ(Cooling Off)は、消費者が「頭を冷やして考える期間」のこと。消費者が不意の訪問販売や複雑な内容の取引などを結んだ時、一定期間内であれば、消費者が一方的に契約を解除できます。
クーリングオフの関連法令は特定商取引法や割賦販売法など多岐に渡りますが、電気通信事業法に相当する法令は用意されていませんでした。総務省は同法に契約解除に関するルールを定める法令を追加することで、スマートフォン・タブレットや固定回線といった通信契約を、クーリングオフの適用対象にします。通常国会に電気通信事業法改正案を提出し、同年度中に導入される見通しです。
スマートフォンや光回線の販売競争は加熱しており、トラブルは絶えません。国民生活センターによると、平成24年度の通信契約をめぐるトラブルは過去最多の4万8668件。全国消費生活相談員協会によれば、LTEに繋がると説明されたのに、実際には繋がらなかったという消費者からの相談が多数寄せられているとのこと。KDDIはいわゆる「LTE人口カバー率96%」の誤表記について、総務省からは指導、消費者庁からは措置命令を受けており、大きな問題となりました。
こうした問題に対する移動体通信事業者の試みとして、SoftBankは契約日から8日以内なら返品できる「電波保証プログラム」を提供しています。さらにNTT docomoは、契約前のお試しサービスの提供を検討中だそうです。
むしろ、これまで無かったのが不思議なぐらいのスマホにおけるクーリングオフ制度。総務省の動きに注目です。
情報元:産経