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ソニーとHTC、5Gでスマホ事業の挽回は可能か?

過去の栄光、HTCとSony Mobileは復活できるか?中国メディアの分析

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 かつては世界第一位を誇ったHTCと、昔はiPhoneのライバルとして存在感を放っていたソニー・Xperia。ソニーのモバイル通信事業は2020年、つまり5Gまで継続することになっていますが、果たして捲土重来は可能なのか?中国飛象網がこの疑問についての記事を掲載していたので、ご紹介します。

 まず、HTCとソニーのスマホについて、「街で見かける確率は宝くじに当たるのと同じくらい」だといいます。そうでしょうね。HTCの世界市場シェアは0.68%、Xperiaはソニーで昨年唯一赤字になった部門だと紹介されています。

 しかし、5Gの商用利用にあたって、この2社が人々の期待を集めているといいます。

「世界第2位のHTC」、世界シェア0.68%に没落

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  かつてスマホ業界をリードしていたHTCは、毎回毎回「三下巴(三重アゴ)」とバカにされる製品を出し続けるなか、次第に市場での固定ファンを失っていったといいます。HTCの発表した第3四半期決算報告によると、HTCの営業収入は40.4億新台幣、純損失は26億新台幣(約95億円)となりました。

 スマホ市場占有率から見ると、HTCは2011年に21%を占め、29%のAppleに次ぐ第2位でした。

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 しかし2013年には2%に満たないまで下落し、2018年には僅か0.68%となっています。もはや、誰が使っているのかというレベルですね。元記事著者の日常生活での感覚から言っても、HTCのスマホを目にする率はどんどん低くなり、HTCの本拠地・台湾ですら、街でHTCのスマホユーザーを見つけるのは確率の高くない「事件」だといいます。

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 HTCは2018年に再三、スマホ事業を放棄しないと表明したそうです。スマホ代理生産事業をGoogleへ譲り渡した時と、今月「2019年上半期のフラッグシップ製品計画取消」という噂を否定する発表をした時に、触れられました。

Xperiaは崖っぷちだが……

(XZ2:リキッドブラック、リキッドシルバー、ディープグリーン、アッシュピンク)

 スマホ事業の業績不振から、撤退をささやかれているのはソニーも同じだといいます。

 昨年、ソニーモバイル事業の営業損失は276億円。現在、ソニーのスマホの中国市場でのシェアは0.05%以下、米国市場は僅か0.3%、欧州市場は1.8%だといいます。

 日本本土ですら、ソニーは昨年シャープに追い抜かれて10.9%の第3位、第4位の京セラと比べて0.6%リードしているに過ぎません。これは大変なことだと思います。第二次大戦で言えば、本土決戦どころか九州と関東平野が陥落したくらいのヤバさでしょうか。

それでも、揺るぎないSONY各事業の「次代の切り札」の役割

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 囁かれるソニーのスマホ事業撤退の噂について、CEO吉田憲一郎は「ソニーはスマホ事業を放棄しないばかりか、5Gネットワークの発展で新たに機会を掴む。将来、5G通信技術をあらゆる製品に組み込むかも知れない」と回答しています。神機到来を確信しての徹底持久ですね。

 ソニーの「あらゆる製品」とはなにか?消費市場のなかで、ソニーの製品はビデオゲーム、スマートフォン、家庭映像、家庭音響など多岐にわたっています。スマホ事業を除けば、これらの製品はそれぞれの分野で揺るぎない地位を誇っているといいます。

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 ソニーのPlayStationシリーズのハード販売台数は5億2,530万台に達し、全世界のゲームハード市場の半分を占めています。ソニーの音響製品は、その他のブランドの音楽再生機器にまで影響を及ぼしており、イヤホンメーカーは“Hi-Res(ハイレゾ)”表記を製品の品質を証明する重要な手段と認識している、と指摘します。また、映画事業では、現在公開中のヴェノムもソニーが掌握している重要な版権であり、ほかにもスパイダーマン、ドクター・オクトパス、グリーンゴブリンなど大量のキャラクター版権を持っているといいます。

 また、ソニーの多角的な製品ラインナップには枚挙に暇なく、4Kディスプレイのような「黒技術」製品もあるものの、その地位は明らかにほころびが見えるといいます。

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 そして、ソニーの膨大な生産ラインナップは、ゲーム、映像コンテンツ、オーディオなど、いずれも5G時代後に、巨大なチャンスを得るでしょう。次世代通信で遅延が少なくなればゲームのインターネット対戦のユーザー体験もよくなり、高速率は高画質な動画やオーディオをオンラインで消費者に提供できるようになるといいます。

 まだ「風を待っている」ところのあるVRも、もし「PlayStation Phone」を出せば成功率は「VIVE Phone」を上回るだろうと指摘します。しかしソニーがコンテンツや技術をうまく整合できるかは簡単な問題ではなく、肝になる課題であり、しかも多くの消費者がXperiaに長年抱いてきた最大の問題点だといいます。

巨大な中国市場、両社の敗因は販売チャネルにも?

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 ソニーとHTCのスマホ製品のユーザー体験は、ずっとユーザーの不満を受けているところであり、近年は新技術の仕様も、Samsung、華為、小米、OPPOといったブランドに遅れを取っているといいます。

 たとえば、ベゼルレスディスプレイが流行している今日、HTCとソニーの最新フラッグシップモデルは、いまだに「デコ」と「アゴ」を保っており、ユーザーから「三重アゴ」と罵られても気にする様子がないようです。Android陣営で液晶下部の指紋認証が普及している中、HTCとソニーはいまだに背部指紋認証となっていると指摘します。ソニーは今年フラッグシップのXZ2 Premiumを投入、他にはない4Kディスプレイを搭載したものの、236gの重量から、中国消費者から「索半斤(ソニーのダンベル)」とからかわれることとなりました。

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 この他、HTCとソニーはともに中国市場での販売チャネルの問題が突出しているといいます。HTCのフラッグシップU12+は既に中国の各大手ECサイトから消えており、HTC公式サイトでも「在庫切れ」の状況になっているそうです。ソニーもHTCと似たりよったりな状況になっており、消費者がソニーのスマホを購入するチャネルは、かなり限定的なのだとか。京東、天猫とソニーの公式サイトくらいしかなく、ソニー直営店の数も少ないといいます。

 華為、OPPO、小米の小売店が各商業施設に分布しているなか、北京、上海、広州といった大都市でも、ソニー直営店を目にする確率は、その他のブランドと比べても明らかに少ないとか。たしかに、調べずにそこらを歩いていて、ソニーの看板を目にすることはないですね。

復活は「ユーザー体験、販路、整合性」

 5Gという風があるにしても、ユーザー体験を完備し、販売チャネルを再構築し、自社の製品を整合させ、ようやく起死回生が見えてくる、と記事は結ばれています。

 しかし販売台数が壊滅的な状況で、これらすべてを実現するだけの予算が確保できるのか、と考えると、「神機到来」したところで攻勢に出る力はなく、復活は難しいのではないか、とも思ってしまいます。

情報元飞象网
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