中国HuaweiがKirinチップの唯一の外販先として、米Apple社を許容していることが判明したと、米engadgetが報じました。情報源は事情をよく知る関係者筋。
Huaweiは自社傘下HiSiliconの開発したチップを自社製品に使用していますが、他社には販売していません。
報道によればHuaweiは5G対応のBalong 5000チップのAppleへの販売を許容しているとのこと。とはいえ実際にAppleへの販売交渉が進んでいるのか否かは不明。Huaweiは2020年に世界最大のスマートフォンメーカーを目指しており、Appleとはライバル関係にあるため、もし実現すれば驚くべきことです。
AppleはQualcommとの訴訟を抱えており、Appleの通信モデムサプライヤーであるIntelは5Gにおいては後手に回っており、最近の投資会社や証券アナリストのレポートは、iPhoneの5G対応モデル登場は2021年まで遅れると相次いで報告している状況。こうした情勢下でHuaweiがAppleの助け舟になるというのは面白いところ。
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一方で米国政府はHuawei排除を進めており、Huaweiも米国政府に対して違憲訴訟を起こすなど、戦いは泥沼化しています。Huaweiの5G製品をAppleに搭載するというのは政治レイヤーで問題の俎上に載る可能性があることから、そう簡単には行かないのではとも想定されます。むしろ、対米カードになるからこそ、Appleになら自社製チップを供給しても良いというのがHuawei側の狙いであると考えるのが妥当でしょう。
HuaweiのBalong 5000は、世界で初めて2Gから5Gまでのすべての通信をカバーしたマルチモード通信チップです。5G通信においては低周波数Sub6通信と高周波数ミリ波帯の両者をサポートします。このチップはHuaweiの折り畳みスマホMate Xに初搭載されます。
なお、Intel側は、XMM 8160 5Gマルチモードモデムにより、2020年の製品の発売をサポートするとコメントしています。