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Apple、香港の絵文字キーボードから青天白日満地紅旗を削除。

 ジャーナリストらによって運営される中華圏の非営利ニュースメディア「Hong Kong Free Press」は、香港とマカオのiOSユーザーが、絵文字キーボードから台湾の旗「青天白日満地紅旗」を入力できなくなったと報じました。

 青天白日満地紅旗は、中華民国国旗。国共内戦で破れて大陸から台湾に敗走した国民党が、中華民国を南京から台北に遷都(もとい臨時首都に撤退)したことにより、現在の台湾の事実上の「国旗」です。

 香港地域(ZA地域)販売モデルでは、iOS 13.1.1以降、キーボードの絵文字一覧から青天白日満地紅旗が削除。また、それ以外の地域販売のモデルでも、地域設定を香港またはマカオに設定した場合も同様に削除とのこと。

 ZAはiPhone XS / XR以降新設された地域区分。つまり香港で購入したXS / XR以降のデバイスは、最新iOSでは恒久的に青天白日満地紅旗を絵文字キーボードから入力できないことになります。

 現時点では、表示自体は可能とのこと。また、キーボードの絵文字一覧からは削除されたものの、「Taiwan」を文字入力し、予測変換候補に表示すれば一応入力は可能。

 逃亡犯条例に端を発する一連のデモで、香港市民が、自由主義陣営の盟主であるアメリカ合衆国の星条旗や、英領植民地時代の旧香港旗、そして世界に国家承認されていないながらも事実上の民主主義国家として振る舞う台湾の青天白日満地紅旗を掲げる様子が見られました。非常にセンシティブな時期ですが、Appleはこのような措置を講じたことになります。

 大陸当局は、両岸問題にあたって一个中国原則を維持。中国代表権を有するのは中華人民共和国であり、台湾は領土の一部であると大陸当局は主張し、反国家分裂法を制定しています。大陸当局は一国二制度による統一を提案していますが、台湾当局はこれを拒否しています。

 大陸で販売されるiOS端末やMacでは、既に青天白日満地紅旗を入力のみならず表示まで不可能となっています。香港は建前上一国二制度ではあるものの、中国共産党は香港への圧力を強めており、今後香港販売のApple製品でも、大陸基準の「ポリコレ」遵守が求められる可能性があります。

 Appleは、香港警察の位置を表示するiOSアプリをApp Storeから削除しています。(後に復活。)この時期にAppleがこうした一連の措置を取り始めたのは、何らかの圧力も疑われるところです。

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