台湾の半導体メーカーMediaTekは、8Kテレビ用チップセット「Pentonic 2000」を正式発表しました。
Pentonic 2000は、高価格帯テレビ用のSoC。TSMCの7nmプロセスで製造された、世界で初めてのTV用製品となります。解像度は8K、リフレッシュレートは最大120Hzに対応しています。
同社は、このSoCを「業界で最も強力」としており、より高速になったSoCと、MediaTekのWi-Fi 6Eモデムや5Gモデムを利用することで、さらに高速、かつ低遅延で8Kストリーミングを楽しむことができるとのことです。
また、Versatile Video Cording H.266をサポート。これも商用製品としては世界初となります。VVCは動画圧縮の世界標準規格で、従来のH.265と同じレベルの品質を維持しながら、データ容量を50%削減できるとされています。
これにより、通常のテレビ放送やインターネットストリーミングなどの圧縮効率がさらに高まったとのことです。さらに、独自技術「Intelligent View」テクノロジーにより、複数の画面でのピクチャーインピクチャーが可能に。ビジネスでの利用の幅がさらに広がっています。
MediaTekは、先日にも、同社の過去製品だけでなくSnapdragon 800番台をも凌駕するとされるスマートフォン向けSoC「Dimensity 9000」を発表しています。
こちらもTSMCの4nmプロセスによって製造された、世界初の製品。AnTuTuベンチマーク(ver.9)では、100万点越えを達成しており、AppleのA15チップと同等の性能であるとのこと。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
MediaTekは現在、TV用SoC市場にて世界シェアトップを誇っています。Pentonic 2000の発表によって、さらに高価格帯ディスプレイやテレビにおいてもシェアを拡大すると見られます。
TV市場とスマートフォン市場において、MediaTekはさらなる躍進を果たせるのでしょうか。高性能SoCをめぐるQualcomm・Samsungとのシェア争いにも注目が高まります。
訂正:初出時、Dimensity 9000の製造プロセスが3nmとなっていましたが、正しくは4nmです。お詫びして訂正致します。