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Pixel 6 Pro レビュー。カメラ良好、手抜きに辟易

 Googleのスマートフォン、公開市場版「Pixel 6 Pro」を発売日に購入して長らく使っています。

 購入の決め手は可愛いCloudy Whiteの色です。筐体はハイエンドによくあるエッジで普通。背面は光沢ガラス。電源ボタンと音量ボタンの位置が一般的な機種と逆に配置されているのに慣れる時間を要します。

 やはりお気に入りはカメラ。そこらへんの機種と比べたら安定して良い結果を残してくれます。

 最も特筆すべきは望遠です。高い潜在力があり純粋に撮っていて楽しいです。

F1.85 1/1.31 5000万画素 広角, F2.2 1200万画素 超広角, F3.5 1/2型 4800万画素 潜望鏡型 光学4倍望遠

望遠 撮って出し

RAW現像

 Xperia 1 IIIの望遠は手ブレがネックで特に光量不足時には顕著なのですが、Pixel 6 Proは光量不足でも手持ちで非常に安定して撮れるのが素晴らしい。まるで三脚いらずです。

 望遠且つ夜景でもしっかり圧縮効果を得られます。

 HDRや夜景モードといったら基本的には複数枚撮影して合成処理が基本であることから、RAWとは排他……というのがこれまでの常識でした。しかし大手一流メーカーの最新ハイエンドではこうした既成概念が覆されつつあります。

 HDRだろうが夜景モードだろうが合成にあわせた「RAW」を保持、あとから現像できます。

 現像耐性は現時点では「まだまだ」ですが、スマホカメラの進化の突破口は計算写真(コンピューティショナルフォトグラフィー)。大手各社も同様にRAWの進化を開始しており、今後この方向性でさらに驚くような展開が待っているでしょう。

 計算写真といえばPixel。高いAI処理性能を持つTensorによって様々な写真加工処理が可能になっているとGoogleは謳います。

 たとえば写真に写った邪魔な人間を除去する消しゴムマジック。

 通常は三脚必須の長秒露光もしっかりできます。

 日常的なカメラの使い勝手の良さも気に入っています。タップした箇所にフォーカスを合わせ続けるのは便利ですし、特にホワイトバランスはあまり狂うことがなく優秀な打率だと感じます。

 さらに露出だけではなく、色温度変更やシャドウ/ハイライト調節まで可能。その場でこだわって調節できます。

 Pixelといえば「簡単に撮れる」というイメージが強いと思います。もちろんこれまで通りよほどのヘタクソでない限り安定して撮れるのが美点です。さらに「三脚で撮れるような画を三脚無しで撮れる」「調整やRAW現像でこだわれる」という深みも持ち合わせている点は特筆に値すると思います。日常利用では失敗しようがないぐらいのド安定。

 あとあまり注目されない点ですが、動画録画時の音質として、特に人の声がよく拾えていると感じました。

 Androidスマートフォンとしては最新OSを楽しめて長期アップデートも可能で、長く使える一台です。特に録音と同時に音声書き起こしする機能も便利で、取材時にも重宝しています。

 ただ細かい部分では粗が目立ちます。せっかくカメラが秀でているのに、シャッター音が消せません。それは自主規制なのだから仕方がないのだとしても、スクリーンショット撮影ですらマナーモードでも大きな音が鳴ります。スクリーンショット音を強制的に鳴らす仕様には一切の合理性がありません。カメラAPIを叩いてるならスクリーンショットを鳴らしてそれ以外では消音にする程度の処理は、多くの競合各社がやっています。その程度すら怠る姿勢には、これがリファレンスモデルならまだ擁護の余地もあるでしょうが、既にPixelはリファレンスではなくカメラも文字書き起こし等のソフトウェアも独自に作り込んだGoogleのスマートフォンであることから、一切の擁護の余地はありません。これはハイエンドモデルとして許されない、明確な手抜きです。

 また、ハイエンドモデルとしては画面内指紋認証に不満があります。解錠可能な範囲が狭く成功率も高くはなく、解錠までにやや時間を要する印象。特に日中屋外で顕著です。これはチューニング以前に、光を当てて指紋を読み取る光学式指紋認証センサーの採用も一因でしょう。

 大手一流各社のハイエンドモデルはチューニングや最新の超音波式指紋認証センサーを搭載するなどの努力によって高い解錠精度を実現しています。

 もしセキュリティを優先して解錠に時間が掛かっているのだと言い訳するのであればより良いハードウェアを搭載すべきであり、本機の指紋認証センサーはハイエンドモデルとしてはイマイチと言わざるを得ません。

 また、これは筆者の環境によるのかもしれませんが、povoや楽天モバイルのeSIMで運用してきたものの、待機中の電池持ちは非常に悪いと感じました。

 優れたカメラや特色ある機能に、雑さ粗さも混在した、非常にPixelらしいモデルに仕上がっていると感じました。

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