Adobeは公式プレスリリースにて、世界的な画像編集ソフトであるPhotoshopのiPhone版アプリをリリースしたことを発表しました。同時に、ウェブブラウザ版もリニューアルし、Androidスマートフォン向けアプリも2025年内に提供予定であることを明らかにしています。
2月25日にAdobeが発表したiPhone版Photoshopは、2月25日からApp Storeで世界的に配信を開始。基本機能は無料で利用可能となっており、これまでPC版やiPad版でお馴染みのレイヤー機能、マスキング、そして生成AIを活用した「Generative Fill(生成塗りつぶし)」などの主要機能を提供します。もちろんUIはモバイルに最適化済み。
Adobeのデジタルメディア担当シニアバイスプレジデントのAshley Still氏は、プロから新世代のクリエイターまでフォトショップを利用できることを嬉しく思うとコメントしています。
無料版では基本的な編集機能が利用可能ですが、より高度な機能を使用するには既存のCreative Cloudの各種サブスクリプションか、新しく導入される「Photoshop Mobile & Web」プランへの加入が必要になるとのこと。月額1300円または年額1万1000円で提供。モバイル版のプレミアム機能とウェブ版Photoshopへの利用権が含まれます。現在のPhotoshop有料プランユーザーは、追加料金なしでiPhone版およびウェブ版Photoshopを利用できます。
特筆すべきは、iPhone版とウェブブラウザ版の間でプロジェクトの同期が可能な点で、外出先でスマートフォンで作業を始め、後でPCやタブレットで続きを編集するといった柔軟なワークフローが実現できます。強化されたPhotoshop Web版には、モバイル版との連携を強化したユーザーインターフェイスの改良、Adobe Stockライブラリとの直接統合などの対応が含まれています。クラウドベースの保存機能により、どのデバイスからでも最新のプロジェクトにアクセス可能になっています。
今回のiPhone版アプリには、以下の機能が含まれているとのこと。
- レイヤー機能と各種ブレンドモード
- 直感的なタップ選択ツールとマスク機能
- スポット修復ブラシなどの高度な削除ツール
- Adobe Firefly搭載の生成AIツール(生成塗りつぶしと生成拡張)
- Adobe Express、Adobe Fresco、Adobe Lightroomとの直接統合
- 豊富な無料素材が揃うAdobe Stockアセットの利用
- クラウド同期機能
- 各種フィルターとエフェクト
Android版については具体的なリリース時期は明示されていませんが、「2025年内」との表現にとどまっており、iPhone版と同等の機能が提供される見込みです。Adobeによれば、こうした動きはCreative Cloudのサービス拡張の一環とのこと。
なおAdobe Fireflyを搭載したAIツールはAdobe Stockのライセンスコンテンツやパブリックドメインのコンテンツなど、Adobeが使用許可を得たコンテンツのみでトレーニングされているため、安全に商用利用できるとAdobeは主張しています。
Adobe Photoshopの裾野が一気に下がった感じがありますね。今後のAndroid版の提供にも注目したいところです。