
XREALは、東京都内開催のXR Kaigiの基調講演にて、新製品を正式発表しました。
発表したのは、3D表示機能を備えた空間ディスプレイグラス「XREAL 1S」およびモバイルバッテリー一体型ハブ「XREAL Neo」を発表しました。どちらも日本市場が先行するモデルで、予約受付は12月1日14時から、出荷は2026年1月下旬予定です。
XREAL 1Sは、XREAL Oneの基本仕様を踏襲しつつ、新しい3D機能に対応する価格は6万7980円のエントリーモデル。カラーは新色の「サイレントブルー」1色展開。重量はノーズパッドを除いて82gと、従来モデルと同等の軽さに抑えつつ、テンプルの3段階調整や新形状のエア鼻パッドで長時間装着時の負担を減らしているそう。
自社開発の空間コンピューティングチップ「XREAL X1」を搭載。X1は頭の動きを検知して映像の位置を空間に固定する「ネイティブ3DoF」表示に対応します。

さらにX1はAI空間計算にも対応しており、市販の多くの2Dコンテンツを適宜リアルタイムで3D化できるのもポイントです。動画だけでなく、漫画のページなど平面のコンテンツも奥行きのある表示に変換可能。漫画に関してはKoh氏もイチオシで、実際に会場で試してみましたが、キャラが前面に浮き出る感じで、未来の漫画表現の片鱗が見れました。
また、2D実写動画は、手前にあるであろうと推定されるものが飛び出して見えます。コンテンツ次第かとは思うのですが、少なくとも会場で試したサンプル動画では概ね2Dから3D化はうまくできていました。ただでさえグラスでどう見えてるかをお伝えすることが難しいのですが、3Dともなると、尚更伝えにくいという、3Dテレビ以来のジレンマを感じます。
なお処理はグラス本体チップで行っているため、接続元の機材に依存しないのが大きな恩恵です。ARグラス単体で2Dから3Dへ変換できるのは「世界初」と謳います。ただ流石に発熱の問題もあり、滑らかな動画であっても30fps以下にフレームレートは制限されます。「ソロプレイのレースゲームは妥協すればできるかもな、FPSとかガチるなら無理だろうな」ぐらいの塩梅です。まあ対人戦ガチるなら変換遅延を考えても3D機能は当然オフでしょうけども。
外観的には、「あー、独自レンズのXREAL One Proではなく、XREAL One無印と同じかな?」と推定できそう。ただし輝度はXREAL One Proと同等、最大700nitで、色再現性も個体ごとにキャリブレーションを行いDelta E 3以下に抑えたと説明しています。ディスプレイはSony製0.68型マイクロOLEDを採用し、片目1920×1200ピクセル、いわゆる1200p相当の解像度に対応します。視野角は従来のXREAL Air 2シリーズから32%拡大した52度に。XREAL One無印よりわずかに広く、XREAL One Proよりは狭いです。

さらにエレクトロクロミック調光により、0%/35%/100%の3段階でレンズの透過率を切り替え可能です。室内だけでなく屋外でも映像が見やすく、プライバシーも確保しやすい作りになっています。
| 項目 | XREAL One | XREAL One Pro | XREAL 1S |
|---|---|---|---|
| 光学設計 | Birdbath | X Prism | Birdbath系? |
| 視野角(FOV) | 50度 | 57度 | 52度 |
| ディスプレイサイズ | Sony 0.68インチ マイクロOLED | Sony 0.55インチ マイクロOLED | Sony 0.68インチ OLEDマイクロディスプレイ |
| 解像度 | 片目1920×1080(1080p) | 片目1920×1080(1080p) | 片目1920×1200(1200p) |
| 最高輝度 | 600nit | 700nit | 700nit |
| 最大リフレッシュレート | 120Hz | 120Hz | 120Hz(通常90Hz / 2D→3D時30Hz) |
| プロセッサ | XREAL X1 | XREAL X1 | XREAL X1 |
| 空間機能 | ネイティブ3DoF空間固定 / XREAL Eye併用で6DoF | ネイティブ3DoF空間固定 / XREAL Eye併用で6DoF | ネイティブ3DoF空間固定 / XREAL Eye併用で6DoF |
| 2D→3D関連 | 3D動画再生対応(既存3Dコンテンツ中心) | 3D動画再生対応 | グラス単体で2DコンテンツをAI変換し3D表示 |
| 調光機能 | エレクトロクロミック調光 3段階 | エレクトロクロミック調光 3段階 | エレクトロクロミック調光 3段階 |
| IPD対応 | ソフトウェア式IPD調整 | M/Lの2サイズ展開 | ソフトウェア式IPD調整 |
| 重量 | 約82g | 約87g | 約82g(ノーズパッド除く) |
| オーディオ | Sound by Boseチューニング | Sound by Boseチューニング | Sound by Boseチューニング |
| 発売時期 | 2025年1月発売 | 2025年7月発売 | 2025年12月予約開始(出荷は2026年1月下旬予定) |
| 直販価格(日本・税込) | 5万5980円(公式ストア現行価格) | 7万6480円(公式ストア現行価格) | 6万7980円(予約価格) |
音響面では「Sound by Bose」のチューニングを受けたスピーカーを内蔵し、4マイクアレイと組み合わせた空間オーディオとノイズキャンセル機能を搭載。周囲に音が漏れにくく、自分の耳だけを包み込むような立体音響を狙ったとしています。
寝室のベッドに寝転びながら天井方向にシアターを出したり、オフィスでマルチモニター代わりに使ったりといった利用方法が想定されます。
もう一つの新製品「XREAL Neo」は、XREAL 1Sや既存のARグラスと組み合わせるためのモバイルバッテリー兼USB-Cハブです。10000mAh(38.7Wh)のバッテリーを内蔵し、入力は最大60W、出力は最大40Wに対応。側面にUSB-Cポートを2つ備え、内蔵のUSB-Cケーブルからも給電できます。

Nintendo Switch 2の「TVモード」に対応。Switch 2本体とXREAL Neoを接続し、さらにXREAL 1Sなどのグラスにつなぐことで、Switch 2側からは「テレビに接続されたドック」と認識され、高画質なTVモードが有効になります。自宅のテレビや純正ドックなしに、外でSwitch2を大画面でプレイ可能。
なおMagsafeでiPhoneにくっつきはするものの、無線充電は不可。スタンド機能あり。

| 項目 | XREAL Neo |
|---|---|
| バッテリー容量 | 10000mAh / 38.7Wh |
| サイズ | 約121×72×17mm(最薄部、マグネット・スタンド除く) |
| 重量 | 約240g |
| 内蔵ケーブル | フル機能対応USB Type-Cケーブル×1 |
| USB-C入力 | 最大60W(5V/9V/12V/15V/20V、各3Aまで) |
| USB-Cケーブル出力 | 最大40W(5V/9V/12V/15V/20V、最大2〜3A) |
| USB-Cグラス出力 | 5V/1A(ARグラス向け最大約5W) |
| ワイヤレス充電 | 非対応(有線特化) |
| 付属品 | マグネット用円形シール2枚 |
| 主な利用シーン | Switch 2のTVモード出力、スマホ/タブレット/PCとXREALグラスの同時接続と給電 |
| 価格 | 1万4580円(税込) |
発表会では、既発売のカメラ型アクセサリ「XREAL Eye」と最新SDKによる新機能もアナウンス。XREAL SDK 3.1.0から、XREAL OneシリーズとEyeを組み合わせることで、6DoFの空間固定トラッキングが開放。

XREAL 1SとXREAL Neoの予約受付は、どちらも2025年12月1日14時から開始。単体価格はXREAL 1Sが6万7980円、XREAL Neoが1万4580円。さらに2製品を同時に購入するセットは、通常合計8万2560円のところ、予約期間中は7万6560円と6千円引きで提供。
値段も抑えられていますし、出張や通勤で持ち歩くグラスのファーストステップとしては良い選択肢かもしれません。ぜひチェックしておきたいところです。




















