大画面化に傾倒するスマホ市場の反逆者 XPERIA SX SO-05Dを購入しました

 小さいのに、高機能がギュッと凝縮!

 今日発売されたXPERIA SXを購入したので、早速レビューを上梓したい。

開封

 小さくなった化粧箱、それに対して大きな比率を占めるXPERIAロゴ。2011年のXPERIAシリーズや、国内春モデルのXPERIAのそれとは、打って変わってシンプルになっている。

 先代のXPERIA X1も、箱を開けると観音開きの蓋に、巨大なXPERIAロゴが描かれているといった遊びもあり、それを思えば特に不思議ではない。

 しかしXPERIAのグローバルモデルは、2011年春に発売されたXPERIA S以降、VAIOやSONYタブレットとデザイン哲学を共有した化粧箱を採用していることを考えると、国内のXPERIAも、グローバルモデルやSONY製品の化粧箱とデザインを共通化し、SONY製品であることをより前面に打ち出していくべきだろう。

 また、箱を開けると以下のような構成となっている。薄い説明書がいくつか入っている。

 バッテリー、イヤホン、イヤホンジャックに挿すワンセグアンテナが付属している。ワンセグに関してはあまり観ないし、普段はHTC Jを使っているので、個人的にはあまり問題ではないものの、やはりワンセグに関する部品は全て内蔵していただきたかったところ。もちろん、このコンパクトな筐体を手にした時の感動を考えると、些細な問題ではある。

ハードウェア

 筐体に走るクロスラインが、本体を引き締める「4ブロックデザイン」を採用。エレガントな印象を受ける小柄な肢体だが、決して華奢ではない。マットブラック独特の質感が、ホールド時の快適さを約束する。

 Xiスマートフォンとして最小を謳うSXは、重量も非常に軽く、わずか95gの軽さを実現する。3GやLTEを問わずとも、このサイズと軽さを実現している機種は少なく、それでいてFeliCa・赤外線通信・ワンセグに対応しているとなると、よくここまでコンパクトに凝縮したなと感嘆するばかり。さすが、「世界最小のiモード」を謳ったpreminiシリーズの開発者が携わっているだけはある。

 小型化に定評のあるソニーエリクソンとSONYらしさに溢れた機種だと強く感じる。

オペレーターロゴ・メーカーロゴ

 SONYのロゴが合わないという声もあるが、確かに標準的なオペレーターロゴとメーカーロゴの位置が逆で、サイズの大きいXPERIA GXのディスプレイで部分で点灯すると、違和感を覚えるのかもしれない。

 しかしXPERIA SXは非常に小型で、スマートフォンよりも歴史あるWalkmanの面影があり、むしろSONYロゴは合っていると思うし、愛着すら感じる。

 オペレーターロゴに関しては、FOMA開始当初、巨大なFOMAロゴを端末にやたら載せたがったように、新しい通信規格を採用する時に発症する、ドコモの禁断症状だろう。確かにキャリアロゴを前面に刻印せずに販売されてきた従来のXPERIAシリーズを考えるとやや残念ではあるが、ここは妥協するしかない。

 北米の通信事業者向けにオペレーターロゴを前面に刻印して販売しているXPERIA ionもあるし、2012年のXPERIAは各地域へのローカライズを特に重視しているフシがあるので、SONYの世界戦略に迎合した、自主的な、慎ましやかな判断であると、信じたい。

音楽プレイヤー

 Walkmanアプリとして刷新された音楽再生アプリは、非常によく完成度が高まっていると感じた。

 ジャケットや楽曲情報の自動補正もあり、カジュアルに使うにはうってつけだし、新たに追加されたビジュアライザーなどの遊び心も面白い。

 もちろん、プレイリストやお気に入りも簡単で、プレイリストやアーティスト、アルバム単位でホーム画面にショートカットを置くことができるなど、以前からの使い勝手も健在だ。このあたり、今自分が使用中のHTC Jだとやや不足を感じている部分でもあった。

 また、従来のXPERIAシリーズよりも音質が向上しており、特に高音域がよく出るようになっているし、ホワイトノイズも解消されている。SONYのイヤホンとの相性もいい。

 iPodやWalkmanなどのDAPと、携帯電話をまとめたいが、大画面は必要ではない……そんなユーザーにもおすすめできるだろう。

キー配置

 たとえばサムスンのギャラクシーなどは、電源キーと音量キーが同じ高さで左右に配置されている。

 この配置の場合、どちらかのキーを押し込む際に、反対側のキーに触れてしまい、誤作動するということが多々あったが、XPERIA SXの場合は右側にキーが集約されているので、そうした問題もない。

 カメラキーがないのは、2012年のXPERIAのトレンドである「シャッターキーでの、画面オフ時からのカメラ即時起動」が活きないというのが懸念だった。

 しかしながらロック画面からカメラが起動できるので、まあ及第点といったところ。

 画質も相変わらずよく、シャッター時にフォーカスが合わないといったXPERIA NX、acroHDに感じていた弱点も、いくらかは改善されたように思える。

 ただ今のところ使いづらいと感じたのは、やはりメニューキーの欠如だろうか。

 最近のアプリでは対応が進んでいて問題がないのだが、アプリの画面内にメニューキーを用意していないアプリの場合、右下にメニューキーが出てくる仕様になっている。だが画面サイズが小さいため、元々狭い表示領域が、なおさら小さくなるので、押し間違えずに選択するのがシビアだと感じている。

 対応アプリではむしろ片手で操作しやすく快適なので、対応アプリが増えることを祈るしかない。

バッテリー

 容量1500mAhのバッテリーとLTEでは、長時間の使用には向かないことは推して知るべしだ。

 しかしXPERIA SXのバッテリー「BA700」は、Xperia rayのバッテリーと互換性があり、Amazonでは980円で販売されているほど価格が下がってきている。バッテリー単体を充電できる充電器も販売されているのでおすすめだ。

 大容量でも取り外せないバッテリーのXPERIA NXなどをせせこましく使うより、価格も下がってこなれた通常バッテリーを交換する方が、実際の運用は快適と言えるだろう。

プリインストールアプリ

 Timescape、Walkman、Music Unlimited、Readerなど、SONYらしさの溢れるアプリも含めて、約70個のプリインストールアプリが入っている。ドコモの独自アプリも多数入っている。

 個人的には、メーカー謹製のアプリはメーカーの特徴が出ていて面白いし、ドコモの遠隔サポートや災害関係のアプリは、やはりプリインストールされていて然るべきだと思う。iコンシェルやiチャネルも、事情はまあ察する。

 しかしXPERIA Sなどにプリインストールされていた「ノート」「バックアップ」といったSONY独自アプリは、搭載されていない。相当するドコモの類似アプリが入っている状態だ。

 特に、ToDoやテキスト/手書き/音声メモを1つにまとめ、Evernote連携なども可能な「ノート」アプリは、非常に使い勝手がよかった。LT29iやLT30pといったXPERIAのグローバルモデルでも続投するSONY製アプリなのであれば、今後国内版XPERIAにも搭載して欲しい出来だった。

 また、Timescapeの「あらゆるものをまとめて時系列で整列する」というコンセプトは、Windows Phone、KDDIのJibe、サムスンのソーシャルハブといった形で、ひとつの潮流となっている。しかし、Xperia arcで動作速度が改善されて以来、本家であるはずのTimescapeは目立った進化に乏しい。

 X10の評価がどうであれ、この試みはSONYが切り開いたと自信をもって、XPERIAシリーズの核として育てていってもらいたい。

 余談だが、SONYのSmart Watchを使っていて、たとえばFacebookを読むにしても、Smart Watch用Facebookでタイムラインで読んでも、純正のFacebookアプリやTimescapeで読んだことにはならない。既読の情報が各アプリで共有されていないからだ。たとえば、これをTimescapeで既読の管理を可能な限り一元化してみたら、どうだろうか。非常に便利で、面白いことになるかもしれない。

 また、通知バーのトグルスイッチを、ユーザーがカスタマイズできるようにすることをSONYは検討していたものの、製品版でそうなっていなかったのは少々残念だった。アップデートや後継機での対応を切に願いたい。

総評:買えるなら、今が買い

 海外版に存在する黒色を、排除して販売された国内版Xperia ray SO-03Cに対して、今回のSXは、しっかりとマットブラックが存在する。これだけでも個人的には十分な購入動機であったが、SXの完成度は、予想以上の収穫であったと感じた。

 非常にSONYらしい個性が味わえる、コンパクトなスマートフォン XPERIA SX。発売日にも関わらず在庫が希少で、予約終了の店が相次いでいるそうだ。欲しい時が買い時かもしれない。