SONYは2019年3月期(2018年4月~2019年3月)連結決算を発表しました。
SONYのグループ全体としては売上高8兆6657億円で、2年連続最高益を更新。特にPS4を擁するゲーム&ネットワークサービスの売上高と営業利益が好調で、全体を牽引しました。
一方でモバイル・コミュニケーション、Xperiaを擁するSony Mobileの売上高は、前年度は7237億円あったのに対し、31%減となる2257億円減で、4980億円まで落ち込みました。スマートフォン販売台数の大幅減少が要因となっています。
営業利益は、前年度の276億円赤字からさらに695億円拡大し、971億円の赤字に。ちょうど1年前の2018年3月期連結決算では150億円赤字との見通しが明かされていたモバイルですが、悪い方向に予想を大きく裏切り、971億円赤字という結果になりました。
この営業損失の理由について、オペレーション費用の削減や長期性資産の減損計上額の減少とのこと。
在庫の減少やキャッシュアウトを伴わない評価性利益が落ちるものも営業損失に加えられており、液晶などの部品を仕入れたはいいが端末が売れず価値の下がった在庫も響いているものと思われます。結局のところ、商品力のある製品を作って売る、という基本的な部分ができていなかったことに尽きるでしょう。
以前明かしていた「オペレーション費用を2017年度比で約50%削減する計画」の進捗について、北京製造事業所の生産を前倒しで終了したほか、中南米(ラテンアメリカ)・中近東などの海外地域から撤退を完了し、着実に計画を遂行しており、2020年度の黒字化は十分に達成可能であるとしました。
これまで世界各地からの撤退について、あまり公式にリリースが出ることはありませんでしたが、決算会見で一部認めた形となっています。
また質疑応答では、エレキ・ハード3分野、つまりカメラ・テレビ・モバイルをEP&S事業として統合したことについて、野村證券が「赤字のモバイル継続の意義として5G開発を挙げていたが、今回の統合によって次世代ハードの開発についてどういった考えを持っているのか。3つをまとめることによって効率化、コスト削減が期待できるのか」と質問。
これに対して十時CFOの回答は「1つはいろんな機能をプラットフォーム化して効率化。特に通信はいろんな機器に入っていく。それをプラットフォーム化するのは非常にメリットのある話。コスト削減も期待できる。なので統合した。カテゴリーに閉じない商品や、BtoBの商品を、開発しやすくなる」と回答しました。
今後はXperiaにソニーの他部門(もといEP&S事業内)の技術が注がれるだけでなく、カメラやオーディオなど他のエレクトロニクス製品にモバイル通信技術が組み込まれていくことを示唆しています。今後の魅力的なソニーの製品の登場に期待しましょう。
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- 情報元SONY