既に日本でも流行が始まっているとも見られてる、新型コロナウイルス COVID-19。中国では「濃厚接触」を避けるよう徹底されており飲食店も営業停止。ゆえに自炊か出前に頼ることになります。
しかし食材を買うにせよ、デリバリーしてもらうにせよ、結局配達員と顔を合わせなければなりません。
そこで、「美団」など中国でウーバーイーツ的なサービスや青果品通販事業を展開している各社が、「無人車両」での配送サービスを開始することになったと、澎湃新聞が伝えました。
澎湃新聞が2月18日に把握したところによると、美団は近日中に無人配送車の運用を北京市東郊の順義区で開始、青果品を配送するとのこと。
美団によると、同社自社開発の無人配送車両は既に順義区内の一部団地(中国の大都市は「タワマン団地」が一般的)で配備が進められているそうです。
新型コロナウイルス流行の影響で、「オンラインでの食材購入」が買い物のトップに躍り出ており、「美団買菜」のデータによると、新型コロナウイルス流行後の販売額は各地で増加し、北京地区の日毎販売量は春節前の2~3倍になっているそうです。
注文の集中により、「美団買菜」では人手不足が発生、北京・順義では2つのサービス拠点周辺に86団地、10万人近いユーザーがあり、「無接触」配送のニーズが拡大しているとのこと。
そこで美団の無人配送センターは、順義区の関連部門(要は役所でしょう)による協力の下、「美団買菜」サービス拠点に無人配送車を配備し、既に通常業務としての配送運用を開始。公開テストでの公道上運転速度は時速20kmといいます。
また同時に、美団と中国3大通信キャリアの一つ中国聯通北京支社は、自動運転に必要な5G通信網で提携したそうです。
美団は新型コロナウイルスが収束した後も無人配送サービスを継続・拡大するとしており、今後は料理の出前、日用雑貨、医薬品にも対応する予定とのこと。
なお、澎湃新聞によれば、大手ECサービス業者の京東や、同じく家電量販店も展開している蘇寧も、各地で5G無人配送車の運用を開始しているそうです。
以上、伝染病の流行をきっかけとして、無人配送サービスが広がる中国についてでした。こういうことは「出羽守」のようでよくないのですが、東京五輪期間中は交通・物流が逼迫するためECサービス利用は控えるようにとの呼びかけがあったことを覚えている方もいるかと思います。
日本でも、今回のコロナウイルスと五輪をきっかけに、これまでになかったサービスが生まれる、その前提条件が整えられることを、本当に心から期待してやみません。