Qualcommは15日、次期スマートフォン向けフラッグシップSoCの名称を「Snapdragon 8 Elite Gen 5」であると発表しました。
現行モデルがSnapdragon 8 Eliteという名称だったことから、当初は「Snapdragon 8 Elite 2」と予想されていましたが、なぜかだいぶ飛ばして「Gen 5」という命名に。Qualcommによれば、2021年に「Snapdragon 8 Gen 1」でスタートした1桁命名から数えて8シリーズの5世代目にあたるため「Gen 5」としたとのこと。
昨年のSnapdragon 8 Eliteは「前例のない性能向上を実現したスタンドアロンプラットフォーム」として独立した命名だったため、今回Gen 5で通常の世代表記に戻ったという主張です。
ただし、この説明にはやや無理があるのも確か。過去にもQualcommは順番的には「Snapdragon 875」と命名されるはずだった製品に対して、「Snapdragon 888」とつけたこともあるぐらいです。
今回、Snapdragon 8 Gen 5にするのは、命名規則を戻すと同時に、実質的には「Gen 4」を飛ばした形になっており、混乱します。
一応、中国市場を意識したのでは、という説明はできます。中国市場(というか漢字圏)で「4」が忌避される文化的背景があるからです。また、「Snapdragon 875」を「Snapdragon 888」と命名したのも、中華圏で8が縁起の良い数字だからではないかとの俗説もあります。
なおスペックについては、TSMCの3nm N3Pプロセスで製造され、2つのプライムコア(4.61GHz)と6つのパフォーマンスコア(3.63GHz)のOryon CPUを搭載し、GPUはAdreno 840で1.2GHzで動作するとみられます。Samsung向けの「for Galaxy」版では最大4.74GHzまでクロックアップされる可能性もあるそうです。もはやPC並みです。
最も注目すべきは性能面で、Weiboで活動するリーカーの数码闲聊站氏いわく、AnTuTu V11でのベンチマークスコアは420万~440万点にもなるとか。ただAnTuTu V11のベンチマークスコアの相場観が分からないところではありますが、市中の意見を眺めていると8 Elite機で280万点ほどとなる一方で、計測法方法がかなり変わったのかV10より大きくスコアが下がった端末もあるようです。
搭載端末では、Xiaomiが17シリーズで初採用することを表明しており、Galaxy S26シリーズも当然搭載予定でしょう。一方、GoogleのPixel 11は例によって独自のTensorチップを採用するため、この化け物チップとは無縁となりそうです。
なお、今回の発表でQualcommは他のSnapdragonプラットフォームにも「Gen 5」表記を採用すると予告しており、命名体系の統一を図る狙いが伺えます。ただ、これまでのSnapdragonの命名は失敗が多いので、また顧客に分かりづらい命名体系になるのでは……と信用できないところはありますが、今度こそまともに命名して欲しいですね。
Qualcommは9月23日からハワイで開催される「Snapdragon Summit 2025」でSnapdragon 8 Elite Gen 5を正式発表する予定です。