負け惜しみ?
Intelの暫定共同CEOであるMichelle Johnston Holthaus氏が、Snapdragon Xシリーズのチップを搭載したノートパソコンの返品率が高いと指摘したことが明らかになりました。Notebookcheckが伝えています。
Intelは以前の輝きを失っており、ここ数年厳しい時期を迎えていますが、CEOが暫定的に変更されてもなお競合他社への批判的な姿勢は変わっていないようです。
Johnston共同CEOは、Snapdragon搭載ノートPCの高い返品率が小売業者などにとって課題となっていると述べています。この発言は、Barclays Global Technology Conferenceで行われました。
Digital Trendsの報道によると、顧客による実際の製品の返品率のデータは公表されておらず、この主張を検証することは困難とのこと。ただし、仮にも超大手企業の幹部が根拠のない発言をすることは考えにくく、この情報はあながち間違っていないか、それとも恣意的に切り取るとそういうデータが作れる、という可能性はあります。
ちなみに、現時点でのArmベースPCの利点を簡単に伝えると、スマートフォンや組み込みデバイスで培われた高い省電力性能やワットパフォーマンスの高さ、モデム内蔵によるモバイル通信の対応のしやすさ等があります。
一方で、既存のx86-64ソフトウェアが完全には動作しないという問題も抱えています。Macと同じようにエミュレートで動作するものはあっても、ATOKやGoogle日本語入力などで全く動作しないものが存在しており、これらを受け入れることができるかどうかで実用性が大きく変わります。
Snapdragon Xシリーズを始めとしたArmベースSoCをWindowsで動作させる計画はいまだ発展途上です。ArmベースのPCを自発的に選択するのは、電池持ちや通信との親和性などArmの利点を理解しているマニア程度であり、WoA(Windows On Arm)デバイスで動作できない・最適化されていないアプリが多数存在することを実感したユーザーは、従来の選択肢を探す傾向にあるとのこと。
これに対してQualcommは、その後Johnston共同CEOの発言を否定し、Snapdragon搭載ノートPCの返品率は業界水準内に収まっていると反論しています。
Qualcommは来年、より手頃な価格帯のモデルの発売も計画しており、PC市場での存在感を高める戦略を進めているとしています。
現在、PC市場でのQualcommのシェアは1%未満ですが、ソフトウェアのサポートが改善され、システムの実用性が向上すれば、Snapdragon X Eliteプラットフォームの採用は増加する可能性があるとみられています。