
AmazonのAGI(汎用人工知能)ラボを率いてきたDavid Luan(デイビッド・ルアン)氏が、同社を退職すると明かしました。The Vergeが伝えています。
Luan氏は2月24日にLinkedInへ投稿し、「今週末でAmazonを離れて、新しいものを作る」と記しています。同氏はOpenAIでエンジニアリングを率い、初期のGPT開発に携わったとされる人物で、Googleでも大規模言語モデルの取り組みに参加していたそうです。その後、AIエージェント企業Adeptを共同で立ち上げました。2024年6月には、AmazonがAdeptの主要メンバーを採用しつつ技術をライセンスする「アクイハイヤー」の形でAmazonに合流。Adept自体は独立して活動を続けているといいます。
ちなみに「アクイハイヤー」とは、ざっくり言うと会社を丸ごと買うのではなく、欲しい人材だけ引き抜いて技術はライセンスでもらう、という手法のこと。会社自体は残るんですが、中心メンバーが抜けるので実質的には「半分買収」みたいなものです。
Amazonは2024年12月、サンフランシスコ拠点のAGIラボを正式に立ち上げ、Luan氏が責任者を務めました。同ラボは2025年3月、AIエージェント「Nova Act」を研究プレビューとして公開しています。Nova Actはウェブブラウザ上でタスクを実行するエージェント構築用のAIモデルと開発者向けツールキットです。Luan氏はエージェント研究リーダーボード「REALBench」で上位に入った実績を振り返っています。
退職の理由についてLuan氏は、「AGIがこれほど近づいた今、AIシステムにまったく新しい能力を教えることに100%の時間を費やしたい」と語りました。次に手がけるプロジェクトの詳細は明かしていないものの、「次のアイデアに全力で挑む」意向だとのことです。
Luan氏は投稿で、今後のチームは上級副社長Peter DeSantis(ピーター・デサンティス)氏が率いるとも明かしています。DeSantis氏はAmazon在籍27年の幹部で、AGIチームを含むより広い組織を昨年末ごろから統括しているそうです。Amazon側はこの件について、Luan氏の投稿以上のコメントは控えているようです。
Amazonは自社モデル「Nova」関連の開発を進める一方、外部との連携も強めています。Anthropicへの投資は累計80億ドル規模に達しており、AIの覇権争いが激しさを増す中、人材の動きが各社の戦略にどう響くか気になるところです。




















