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[追記あり]NTTドコモの「MVNO潰し」か?――現行機のiPad、テザリング使用不可に

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 NTT docomoは、iOS端末向けにキャリアアップデートを実施。キャリアバージョンは16.2へと更新されます。

 しかしこのキャリアアップデートを適用した、MVNOのSIMカードを挿したSIMフリー版のiPad AirおよびiPad mini Retinaで、テザリングが利用できなくなったことが明らかになりました。

 このように、検証を行っているIIJmioがツイートしており、MVNOで当該機種を利用中の方は、キャリアアップデートを控えるようにしましょう。

 これはNTT docomoが6月10日より、iPad AirおよびiPad mini Retinaの取り扱いを開始することに伴う措置とみられます。NTT docomoの取り扱っていない現行より前の世代の機種、つまり第4世代までのiPadには今のところ影響は出ていない模様です。

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 SIMフリー版iPhone 5s、5cのテザリング機能も、MVNO SIMでは利用できないようになっており、これらはNTT docomoによる、SIMフリー版のiOS端末ユーザーとMVNOに対する、事実上の妨害行為と言っても過言ではないと思います。

[5/31 18:23 追記] NTT docomoは、AndroidスマートフォンのAPNにおいて、テザリング時は専用のAPNに強制的に接続される仕様にしています。この仕様のため、他社・MVNOでテザリングが使えない仕組みとなっています。この仕様は、MVNOや他社への嫌がらせの意図があったのではないかと筆者は感じています。ただしiOSではそのキャリアがオフィシャルキャリアになると、キャリアの仕様に合わせたプロファイルがリリースされ、テザリングAPNもオフィシャルキャリアの指定したものになります。つまり今回のiPad AirとiPad mini Retinaを「ピンポイントにして」、NTT docomoが何らかの意図を「このタイミングで」持っていたかどうかは断定できないものです。この点について、やや過剰且つ断定的な表現となってしまったことをお詫びいたします。ただ、筆者はAndroidスマートフォンに、SIMロック解除をしてもなお適用され続けるテザリング時の特別APNにより、MVNO・他社でテザリングを利用できないという仕様(注:一部メーカー製ドコモ向け端末では他社SIMを挿した時のみ、テザリング時の特別APN強制変更の仕様が解除される。)が策定された時点から、NTT docomoはMVNOを快く思っておらず、そしてその仕様が是正されないがためにiOSにも適用され、Androidスマートフォンでもユーザーが被っていたものと同じ不利益を、MVNO契約のSIMフリー版のユーザーが被っており、重大な問題であると感じます。NTT docomoブランドを冠したキャリア端末ならまだしも、今回はNTT docomo以外からユーザー自身が購入した、SIMフリーの機種であることから、むしろAndroidスマートフォン以上に問題は深刻であると考えています。Appleのプロファイルの仕組みで改善できる問題であるとも思います。両者の狭間で生じてしまった問題により不利益を被っているのはMVNOを契約しているSIMフリー機のユーザーであり、一刻も早く改善されて欲しいと思います。以上が筆者の考えです。このような問題意識を持っている筆者が、やや語気を強めてしまい、バイアスをがかかっているということを踏まえつつ、読んでいただければ幸いです。

 このようなことがあるので、携帯キャリアが行うキャリアアップデートは、変更内容をユーザーに明示されるべきです。製造メーカーであるAppleは、iOSのアップデートの直前に、必ず変更内容を表示しています。

 MVNOは、仮想移動体通信事業者です。IIJや日本通信など、多くの企業がNTT docomoの回線を間借りして通信サービスを提供しています。ユーザーにしてみれば、SIMフリーの機種を使うために、MVNOのサービスを契約しているのに、自分の契約していないNTT docomoの商売上の理由で、これまで使えていた自機種の機能が使えなくなるのは、たまったものではありません。もちろん、こんな嫌がらせのおかげで、契約しているユーザーを困らせてしまう、ユーザーに苦情を言われてしまうMVNOも可哀想です。[追記2] 前述したとおり、Androidスマートフォンの時点でテザリングAPNを別途設定したままでいるNTT docomoと、キャリアの仕様をそのまま適用しているApple、この両社の狭間で起きている問題です。

 NTT docomoにとって、総務省に貸せと言われて回線を貸し出さなければならない、MVNOという存在は、自分たちの利益を守る上では面白くない、目の上のたんこぶでしかないのかもしれません。このような嫌がらせが横行しているようでは、総務省の掲げる「SIMフリー化」への道のりは険しいと言わざるを得ないでしょう。非常に残念な出来事だと思います。

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